-
コンピュータ
、
-
宇宙ステーション
、
-
スペースデブリ
、
-
遠隔操作
、
-
軌道
、
-
ロボット
、
-
ゴミ
、
-
宇宙
、
-
人工衛星
講義No.g004534
宇宙のゴミを片づけるための「目」と「手」と「頭脳」
増え続ける宇宙ゴミ
現在、地球上空の宇宙空間では、膨大な数の「宇宙ゴミ(スペースデブリ)」が地球の周りを回っています。宇宙ゴミとは、主に使われなくなった人工衛星やその破片などのことで、1957年に世界初の人工衛星スプートニクが打ち上げられて以来、その量は増える一方です。地球の衛星軌道上の宇宙ゴミは、すべて時速2万8千km以上という猛スピードで飛んでいるため、宇宙ステーションやほかの人工衛星に衝突すれば、大変な事故が起こりかねません。人工衛星には、やがて地球上に落ちてくるものもありますが、互いにぶつかって細かい破片になるものもあるため、宇宙ゴミの数は減りません。そのため、宇宙の使わなくなった人工衛星を回収するための研究が進められています。
ロボットが宇宙ゴミを回収する
稼働中の人工衛星は、多くの場合軌道を把握しているので、地球上に落ちるときも、落ちる場所をコントロールすることができます。しかし、使用されなくなった人工衛星の多くは、コントロールもできなければ、どこを飛んでいるか場所を特定することも難しいものばかりです。そんな人工衛星を、遠隔操作で動くロボットを打ち上げて回収しようというのです。回収に行くロボットは「正確に相手の位置を観測すること」「安全に接近すること」「状況に応じて自律的に振る舞うこと」がとても重要です。
生物の適応能力を機械にも応用
回収する宇宙ゴミの状態はよくわからないので、何が起こるか予測できません。人間のいない環境で、不測の事態にも対処できるような適応力がロボットにも要求されます。小さく軽くて高機能なカメラ、力を制御して物体を回収できるロボットアーム、あらゆる事態に対処できるコンピュータという、高度な「目」と「手」と「頭脳」が必要となるのです。これらの開発には、実は生物が環境に適応する能力が応用されています。生物は、体の一部が損傷しても活動することができます。その仕組みを生かし、一部が故障しても目的の行動を遂行できるロボットの研究開発が進められているのです。