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講義No.g007654
薬の使い方の研究で、より効果を高める「医薬品情報学」とは
「薬のリスク」を減らす医薬品情報学
薬の正しい飲み方や薬の内容(情報)を医師や看護師と共有することはとても大切です。薬は健康を守る重要なものですが、誤った飲み方をしたり、体質に合わない薬を飲んだりすると、本来の効果が発揮されないばかりか、重大な副作用が発生する危険性もあります。まさに、「クスリはリスク」なのです。薬に関するさまざまな情報を収集・整理して提供する、有効性や安全性について分析することで、薬をより安全に使えるようにするのが、「薬」=「医薬品」情報学という学問分野です。
膨らみ続ける医薬品情報
薬が処方されるようになるまでには、十数年の期間が必要です。動物実験や人間による臨床試験、数々の審査を実施し、安全性を確認しなければならないからです。さらに、処方され始めてから新たに判明した副作用情報や、「この症状の患者に処方する際は要注意」「この薬と一緒に処方するのは危険」といった注意喚起は、そのつど厚生労働省を通じて提供されます。何年も前から使っている薬であっても、情報はどんどんアップデートされ、膨らみ続けるので、利用しやすいように「データベース」として蓄積されます。これらの膨大な医薬品情報を、医師や薬剤師だけでなく、看護師やほかの医療スタッフへ確実に提供するためにも、薬の情報を体系的に整理する医薬品情報学は重要なのです。
テーラーメ-ドの薬物療法にも必要な医薬品情報
痩せている人と太っている人、若い人とお年寄りとでは、同じ薬でも効き方が全く違うことがあります。腎臓や肝臓の機能が落ちていると同じ量を服用しても、薬の成分が体の中に留まっている時間がかなり違ってきます。また、人によっては遺伝子タイプの違いにより薬の効き方が異なるケースもあります。それぞれの人にぴったり合った薬物療法を可能とすることを、まるでテーラーメ-ドの洋服という例えで「テーラーメイド」の薬物療法と呼びます。医薬品情報学では、この薬物療法にも必要な薬の情報を収集・蓄積し、利用しやすい形で提供します。