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注射器要らず! 皮膚にペタッと貼るワクチン

夢ナビライブ2018福岡会場にて収録

1分動画1

感染症で4000人が亡くなっている

1分動画2

皮膚にはるワクチンのメカニズム

1分動画3

皮膚内溶解型マイクロニードルの安全性

30分動画

講義を視聴する(30分)

高校1年生 この講義は初めてみたときに一番ききたいと思いました。講義をきいて、ワクチンは感染症にとってとても大切なもの、そして貼るワクチンのことをしれてとても興味をもった。今日は本当にありがとうございました。
高校1年生 すごい分かりやすくて、医学や薬学についてはあんまり知らなかったけど詳しく知ることができました。はるワクチンの研究がもっとすすんで世界中に広がればいいなと思いました。
高校1年生 とても興味がもてました。おもしろかったです。ワクチンに変わる新しい技術、すごかったです。
高校1年生 とても分かりやすく、この学部で学びたいと思いましたし、興味を持ちました。
高校1年生 興味本意でライブを受けて、知らなかったことも多かったけれどたくさんのことを知るきかいができて良かったです。また最新のワクチンを近くで見ることができていい体験にもなりました!!
高校1年生 講義タイトルを見た瞬間、え?って思い、ほんとうにありえるのかと思い受講しました。先生の話を聞いて私も先生のように世界に大きく貢献できる発明をしたいと思いました。
高校1年生 今までの常識を変えて、今までより、もっといいものを作るというのがとてもおもしろそうだと思いました。もっと、くわしく知りたいと思いました。
高校1年生 今日の夢ナビで1番きょうみがありました!受講して良かったと思います!!もっとくわしく知りたいと思いました。
高校1年生 今日は、講義を聞くことができうれしかったです。ペタッとはるワクチンは、私が一番聞きたかったものでした。子どもに注射ばりは少しかわいそうだなと思うことがたたあったので、はれるワクチンができると、とても助かるなと思いました。また自由にはれるので楽だなと思いました。
高校1年生 私は注射が苦手なので、本当にこんなにかんたんにワクチンを接しゅできる時代がきたらとてもうれしいです。薬学にも興味がわきました。
高校2年生 実際にワクチンなどを触ったりする、実践学習ができたので楽しかった。興味が深まった。
高校1年生 世界では、子供が1日に4000人感染病で亡っていることを初めて知りました。貼るワクチンが実用化されたら、今まで助けられなかった人達が助けられるようになるので凄いと思いました。
高校1年生 生物で習ったことがでてきて関心が高まった。
高校1年生 新しいワククチンの投与方法は、とても魅力的だった。
高校1年生 日本で一番死亡率が高いのはがんだとしっていたけど、世界では感染症が一番だと初めて知った。誰でも使いやすく、安心できるものはとても大切だと思った。
高校1年生 貼れるワクチンを発売されたら良いなと思いました。
高校1年生 説明が分かりやすかったです。時間が無く、パッチを見ることはできませんでしたが、将来いつか見れる日は見たいと思います。
高校1年生 日本では、あまり感染症はなく、身近なものではないですが、世界ではとても重要なことがわかった。
高校1年生 新しい方法でより多くの人々が救えることができたらいいですね。
高校1年生 まだ、実用段階ではないのでこれから、実用されるようになるまで頑張ってほしいと思った。
高校1年生 注射がキライな人でも貼るだけで予防接種が済むのはとてもよいと思いました。貼るワクチンについてを調べてみたいです。
高校1年生 小さいころから注射がキライだったので、こんな夢のような日がくるなんて思ってもいませんでした。阪大で、こういう研究をしていて、私も痛くない薬や苦くない薬をつくりたいです!!
高校1年生 感染症のリスクがなくなり、痛みも減るのでとても多くの人のためになるすばらしい技術だと思います。
高校1年生 私も注射が嫌いなのではるワクチンに興味がわきました。もう少し、知りたいなと思いました。
高校1年生 ワクチンの話だからよく分からないことがあるんじゃないかと思ったが、ネズミなどの例があったので理解することができました。新しい貼らないワクチンおもしろいなと思いました。
高校2年生 注射が嫌いな人のために助かるし、発展途上国に届けることができるのはすごいと思った。
高校1年生 ワクチンはいたいイメージしかなかったけど、ペタッと貼れていて、これが実用としてもっと使われていってほしいです!!ネズミの実験いっぱいしてました。
高校2年生 「貼るワクチン」は痛いのが嫌だから作られたと思っていましたが、コストがかからなかったり、保存が楽であったりと色々な人のために作られたと知り、私もこのようなことをしたいと思いました。
高校1年生 最近の科学の進歩について、しっかり学ぶことができた。
高校1年生 興味のある大学なので、たのしかったです。
高校2年生 注射を使わずにワクチンがうてるようになることに驚きました。
高校1年生 実際に使われはじめたらとてもいいなと思いました。はるタイプのワクチンは初めてききましたがとても興味深かったです。
高校1年生 注射が嫌で予防接種をうけない人も多いと思うので、痛みを感じないことで積極的に注射をうける人も多くなると思った。
高校1年生 私は注射がとても好きだから痛くないワクチンはいらないれど、痛いのが嫌だ!という人にとってとてもすばらしいものだと思う。実物を触ることができて良かった!
高校1年生 例えが多くて、とても分かりやすかったです。初めて聞いたワクチンでしたが、今、現在生物で習った所だったので、とてもおもしろかったです。
高校1年生 「貼るワクチン」というのを初めて聞いてとてもおどろきました。痛みを感じさせなくするだけでなく、他のメリットも考えられていたので、すごいなと思いました。
高校1年生 薬学についての知識はあまりなかったけれど、とても説明がわかりやすかったので、理解できました。よかったです。
高校2年生 自分の注射嫌い少しこくふくできそうです。これからもっと日本の医療が進歩しますように。
高校1年生 日本の技術がどんどん発達していることを改めて実感することができました。貼るだけでワクチンをうつことができるとか、とてもすごいなと思いました。
高校1年生 注射せずにワクチンがとれればすごくいいなと思いました。
高校1年生 前から興味があってきいていてたのしかったです。
高校2年生 研究に興味をもちました。本当におもしろい研究だと思いました。私もそのワクチンを使いたいです。
高校1年生 はるワクチンのメリットの多さがわかって、こんなのが普及したらとても便利だろうなと思った。
高校2年生 注射器のいらないワクチンというのは、本当に新しく自分自身針は苦手なのでありがたいです。
高校1年生 これからは注射が痛くなくなると思うと、とてもうれしいです。
高校2年生 貼るワクチンについて興味がでた。あたりまえに注射をしていたけれど、常識をくつがえす考え方にすごく驚いた。
高校1年生 早く、貼るワクチンを使ってみたいです!!
高校1年生 感染症について、実際に名前を出してくださったので、具体例とともにイメージしながらきくことができました。ワクチンの重要性も知ることができました。
高校1年生 今の技術にすごいと思いました。そのワクチンを打ってみたいです。
高校2年生 皮膚に貼るだけで痛くないワクチンが作れるという発想が素晴らしいと思った。保存もできるからアフリカの感染症も広がるのを防いでほしいと思った。
高校2年生 このようなワクチンがたくさんでてほしいと思いました。私も、インフルの予防をするときは、貼るワクチンを使用したいです。
高校1年生 ワクチンの新しい打ち方についてよくわかりました。
高校1年生 私自身、注射がとても苦手なので、少し夢のような話でした。より多くの人がワクチンをとうよすることができたらいいなと思いました。
高校1年生 とても興味がわいた。痛くないワクチンがもって早く開発されてほしいです。がんばってください。
高校1年生 小さい子どもでも痛みを感じることなく注射を受けることができ、発展途上国の人々も衛生面で安全にできるので、画期的な発明だと思いました。
高校1年生 自分は注射が嫌いなので、皮ふに貼るだけで良くて、痛みもほとんどないし、低コストというのは、とても魅力的だと思いました。
高校1年生 簡単にワクチン接種することができることを知れた。
高卒生 貼るワクチンに痛くないだけでなく、低コストという利点もあることを知りました。このような技術の高コストだと思っていたので驚きました。もっとワクチンが身近にあるといいなと思いました。
高校2年生 注射器がいらないワクチンというものがあることを知って驚きました。
高校2年生 最新の医療技術がよくわかっておもしろかったです。
高校1年生 痛いだけでなく、保存による高コストや、注射針による感染も関係することがわかった。
高校2年生 とても興味深い内容でした。私は1度このような話をきいたことがあったので理解が深まりました。
高校2年生 皮膚にペタッと貼るワクチンは、注射とちがって痛くなく、いいなと思いました。
高校2年生 注射器いらずのワクチンがこれから役立っていくんだなととてもワクワクするなと思いました。
高校2年生 興味のあったものを見ることができました。
高校1年生 すごくかんたんになり、多くの人々がワクチンの注射がやりやすくなると思う。水にとけるとは思わないくらいしっかりしているし、ちいさい。
高校1年生 ワクチンは痛いというイメージがあったのですが、今日、貼るだけのワクチンがあるということを知って医療の進歩ってすばらしいと改めて思いました。
高校1年生 ペタッとはるワクチンについてよく分かった。
高校2年生 貼るワクチンをいつか使う日が来るのが楽しみです。
高校1年生 ワクチンの説明で生物で学んだことがでてきて復習にもなった。
高校1年生 未来のワクチンがあのようにかわってくれればいいと思う。
高校1年生 はるワクチンがどのような構造になっているのか知ることができました。私自身も注射がいやなので、もっと知りたいと思いました。
高校2年生 すごいなと思いました。貼るだけでワクチンが体内に入ることを考えたのもすごいし、もう全てすごいなと思いました。ありがとうございました。
高校1年生 注射が嫌いだったので、このワクチンがもっと広まってくれたら良いなと思いました。
高校2年生 とてもおもしろくて、興味がわいた。研究内容の説明が分かりやすく、おもしろかった。
高校2年生 貼るワクチンの存在を知ったときはおどろきました。小さい頃、注射を見ただけで泣いていたくらいの人間でしたので、もう感動です。ありがとうございました。
高校1年生 ペタッとはるるだけは、イタくないだけではなく、世界の視点や利用のしやすさを考えたものだと知って感心しました。実際にものを見て楽しかったです。
高校2年生 子どもが痛がる注射が貼る注射になっていて、とても驚きました。将来この注射がかつやくすることを願っています。
高校2年生 貼るワクチンが普及し、多くの命が助かることを期待しています。
高校2年生 私は注射がきれいなのでペタッと貼るだけでできるのはいいなと思いました。
高校1年生 実際に実験した結果などがあって興味がわき、とてもおもしろかったです。また。本当の物をさわれたりしたのでよかったです。
高校1年生 先生の講演はとてもおもしろかったです。ペタッとはるワクチンにはとても感動しました。これをきっかけに様々なことに興味を持ちたいと思いました。ありがとうございました。
高校1年生 貼るワクチンがぜひ世界へ広がってほしいと思いました。ありがとうございました!
高校1年生 ワクチンについて詳しく知ることができた!!その効果の結果が分かりやすかった!!楽しかったです!!
高校1年生 発展とじょう国の注しゃの感染症の高さをワクチンにすることによって防げ、簡単にすることがわかった。
高校2年生 画期的なアイデアに感動しました。
高校1年生 最近、技術の発達やアイデアで医療の世界が進展してきているように感じます。人のことを考えてどこまでつくせるかが大切だと思いました。
高校1年生 注射のワクチンの悪いところや、親水性ゲルパッチのすごいところが聞けてよかったです。とてもおもしろかったです。
高校1年生 今、日本では注射器でワクチンを投与しているが、それはとても危険(海外)で高コストとわかった。貼るワクチンの2つでは、親水性ゲルパッチのが良さそうだった。
高校1年生 ワクチン開発がんばってほしいと思いました!
高校1年生 注射針を使わなくてもパッチを使うことでワクチンが打てるということにとても驚きました。感染症は自分が思っていたよりも数が多くてびっくりしました。
高校1年生 今までのワクチン投与は注射であったが、今までとは違ったワクチンを貼るという新しい方法を生みだしたというのはとてもすごいと思いました。発展途上国でも活ようされるようになると良いなと思いました。
高校1年生 私も注射がとても嫌いだったので、こういうすばらしいものが発見されていてとてもすごいなと思いました。とても楽しい講義をしてくださり、ありがとうざいました!
高校2年生 貼るワクチンによって命を救える数が増えていくことがすごいことだと思いました。
高校1年生 ワクチンについてよく知ることができました。くわしくパッチと実験結果を理解できてよかったです。すごく興味深かったです。
高校1年生 思っていたよりも、分かりやすく、非常に面白かった。はるワクチンの仕組みに興味をもった。例えが、非常に分かりやすかった。
高校1年生 ワクチンは注射が当たり前だと思っていたのでシールでできるのはすごいと思いました。ワクチンが皮膚にとけるのが少し不思議で詳しく知りたいです。
高校1年生 私は注射が本当に苦手で、ずっと針がない注射があったらいいのにと思っていました。そんなとき、この講義を見つけました。この針のない注射が実用化されてほしいです。
高校1年生 自分も注射が好きではないので、貼るワクチンは、いいなと思いました。
高校2年生 “痛くないワクチン”にすごく興味がわいて受けました。子どもがいやがらない夢のようなワクチンだと思います。
高校1年生 すごく近未来で感動した。
高校1年生 従来のワクチンと新しいワクチンの差がわかり、新しいワクチンの安全さや、すごさや便利さがわかりました。はじめて皮フにはるワクチンを見ることができてよかったです。
高校2年生 注射器いらず、なのはびっくりしました。
高校1年生 ちゅうしゃをしなくていいのがとてもありがたいです。
高校1年生 子どもが嫌がって泣いてしまったりするワクチンの注射をペタッとはるだけなのはすごくいい発想だと思いました。
高校1年生 とてもおもしろいこうぎだった。貼るだけのワクチンはとてもすごいと思った。これからは痛くないと思うと楽だ。
高校2年生 化粧品であるセイクロニードルをワクチンにも応用している所が大変すばらしいと思いました。質問ですがゲルパッチとマイクロニードルで効来の差が見られたりしましたか?
高校1年生 注射以外に貼るワクチンがあると知り、とても驚いた。ワクチンを受けていれば4000人の方は亡くならなくてすんだから、ワクチンはやはり必要だと思った。
高校1年生 全然知らなかったことを知れて、とても為になったし、自分の知識がふえてよかった。
高校2年生 私はとても注射がキライです。今日の講義をきいて、このはるワクチンがもっともっと発展してほしいと思いました。
高校1年生 これからどんどんこのような医りょう法がでてきて病気やケガなどのちりょうがどんどん手がるになればなと思いました。
高校1年生 最新の医療器具で感染症で死んでいる人をへらしていけたらいいと思いました。
高校1年生 実物を見せてもらったりと、とてもおもしろかった。
高校1年生 世界の難民、発展途上国やコスト削減、注射事故など、様々な事柄を解決するためにはとても素晴らしい取り組みだと思った。
高校2年生 輸送・管理が大変で高コストがかかるため、貼るワクチンの利点がよく分かりました。
高校1年生 とても興味深い内容で面白かったです!
高校2年生 楽しかったです。
高校1年生 興味をもってきくことができました。
高校1年生 分かりやすくとても面白かった。

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関心ワード
  • ドラッグデリバリーシステム 、
  • 副作用 、
  • がん(癌) 、
  • 治療 、
  • 薬・医薬品 、
  • 抗がん剤

講義No.g003373

DDS(ドラッグ・デリバリー・システム)

必要な量の薬を効果的に患部に届ける

 DDS(ドラッグ・デリバリー・システム)とは、「薬物送達システム」のことで、“必要な量の薬物を、体内の必要な場所に、必要なときに供給する手段”のことです。一般的に内服や注射で投与された薬物は、血液に乗って体内を循環します。そのため患部にだけ作用してほしい薬物が、正常な組織にも拡散してしまい、肝心の患部に届く量はごく一部です。患部に届く薬物量が少ないと効果が得られないために投与量を増やさなければなりませんが、その場合正常な組織に拡散する薬物が増えてしまい副作用の原因となります。DDSは薬物の過剰な投与や副作用を抑え、より安全で、効果的に患部に薬物を運ぶ手段として研究が進められています。

抗がん剤投与に朗報

 DDSの恩恵が大きい薬物のひとつが抗がん剤です。がん細胞の活発な増殖を抑える抗がん剤は、血液中に入って全身を循環するため、髪の毛を作るような健康で活発な細胞にも悪影響を与えます。これが抗がん剤投与によって「髪の毛が抜ける」副作用の原因です。例えるなら現在の抗がん剤治療は、高層ビルの上層階で起きている火事(がん)を消すのに、燃えている所だけに放水するのではなく、ビル全体(体全体)を水浸しにして消火しているようなものなのです。なんとか患部(がん)のみに効果が現れる抗がん剤治療ができないか、というのが患者や医師の長年の望みでしたが、DDSはまさにピンポイントで患部にのみ放水し、消火を可能にしようとするものです。

ジワジワ作戦とミサイル作戦でデリバリー

 DDSには、薬物を一定期間にわたって一定の速度で放出させるシステムや、患部を正しく選んで、ピンポイントに薬物を輸送するターゲッティングシステムなどがあります。一定期間にジワジワ放出させるには、高分子の膜などで薬物を包んで透過量をコントロールする方法があります。狙った場所に的確に輸送するには、患部に集まる性質を持つ物質で作られた膜に薬物を封じ込めて狙い撃ちする方法があり、別名ミサイル療法と呼ばれています。

関心ワード
  • 免疫細胞 、
  • 副作用 、
  • 血液 、
  • 分子 、
  • 免疫 、
  • 細胞 、
  • 抗体 、
  • がん(癌) 、
  • 治療 、
  • 薬・医薬品 、
  • 抗がん剤 、
  • 抗体医薬

講義No.g003374

抗体医薬が、がん治療を変える!

抗体は優れた生体防御システム

 人間は、体内に病原菌などの異物が入ってくると、それに特異的に結合する抗体を自ら作り出します。抗体とは免疫細胞が作るタンパク質の一種で、侵入してきた異物に結合してやっつけます。これが生体に備わっている防御システムで、「免疫」と呼ばれるものです。これまでに体内で作られたさまざまな抗体は、血液中を循環しており、病原菌などの攻撃から生体を守っていますが、この抗体をがん治療に利用する方法が、近年注目されています。

血液中をパトロールしてがん分子を発見

 がん細胞は通常の健康な細胞とは違う分子を持っているので、その分子を特異的に認識する抗体を作ればがん細胞に確実に照準を合わせられます。血液中をぐるぐる循環している抗体ががん細胞のその分子を見つけると、すぐさま結合し、さらにこの抗体にがん細胞を殺傷するはたらきのある免疫細胞が引き寄せられ、がん細胞を攻撃します。いわば抗体は血液中をパトロールする警備員で、怪しい特定の細胞を見つけると逮捕すると同時に、腕に覚えのある免疫細胞をも呼んできて相手をやっつけるというわけです。この仕組みを利用したのが「抗体医薬」と呼ばれるもので、そのいくつかは実用化されています。

ターゲットのがんに確実にヒット

 通常のがん治療では、抗がん剤が血液中に入って全身を循環するので、健康で活発な細胞にも悪影響を与えてしまい、例えば髪の毛が抜けるなどの副作用が現れます。抗体医薬は標的とする悪者の形を見分けてやっつける相手を特異的に特定できること、体の中で効果を発揮する時間が長いこと、副作用を軽減させる可能性があることなどが大きな特長です。「ターゲットの形を自分で見分け、狙ったターゲットにだけ作用する」という抗体医薬の特性は、当たり前のようでいてなかなか実現できなかったため、薬の役割としては大変画期的なのです。副作用の少ないがん治療は、患者さんや治療医の長年にわたる悲願でした。さらに実用化が進めば、がん治療の未来は大きく変わるでしょう。

関心ワード
  • ミサイル療法 、
  • 分子 、
  • 副作用 、
  • タンパク質 、
  • 血管 、
  • 医療 、
  • がん(癌) 、
  • 治療 、
  • 薬・医薬品 、
  • 細胞 、
  • 抗がん剤

講義No.g003396

血管新生を阻害せよ! 注目のがん治療法

がんは自前で血管を作り増殖する

 人間の体の細胞は、血液から酸素や栄養を補給しており、その血液は血管の中を流れています。がん細胞が増殖するためには、多くの酸素や栄養が必要で、そのためには血液が流れる血管が必要です。そこでがんは新しい血管を形成(血管新生)し、周囲の血管から血液を引いてきて、がん細胞の中に酸素や栄養を取り込めるようにします。こうしてがんはどんどん大きくなり、体中に転移を始めます。この血管新生を阻害できれば、がん細胞に栄養が行き渡らないので、いわゆる「兵糧攻め」で、多数のがん細胞を死滅させることができ、治療に役立つと考えられています。

がんの血管新生のメカニズム

 血管の内側は血管内皮細胞で構成されており、この細胞が血管新生のカギを握っています。がん細胞はまず血管内皮細胞の増殖を刺激するタンパク質を分泌します。さらに周囲の結合組織を分解する酵素を出して、増殖した血管内皮細胞をがん組織の方へ導き、新しい血管を作っていきます。つまりがん細胞は血管新生のためにさまざまな指令物質を作り出し、周囲の血管がその指令を受け止めているというわけです。ですから血管新生を阻害する薬剤には、「がん細胞が指令物質を作れなくする作用」か、「周囲の血管が持っている、指令を受け取るセンサーを効かなくさせる作用」のいずれかを持たせればいいことになります。

ミサイル療法で血管内皮細胞だけを破壊

 しかしこの方法論では、すでにできてしまった血管への効力は弱いと考えられます。近年の研究で、がんが作った血管の内皮細胞には、目印となるマーカータンパク質が存在することが明らかとなりました。それらをターゲットにして、がんの血管内皮細胞のみを破壊する薬を、狙いを定めたミサイルのように届けられれば、副作用が少なく効果的に血管新生を阻害できると期待されています。このように特定の分子およびその分子がある組織を目がけて薬剤を届ける療法は「ミサイル療法」と呼ばれ、患部だけを狙い打ちできる治療法として注目されています。

この学問が向いているかも 薬学

大阪大学
薬学部  教授
中川 晋作 先生

メッセージ

 研究=知識ではありません。大学に入学するには最低限の知識が必要ですが、重要なのは知識をどれだけ持っているかではなく、生きていく上でどう知識を使いこなせるかです。薬学の研究も同じで、どうしたら患者さんに副作用が起こることなく治療できるか、ひとつの治療法がダメならどこをどう改善すればいいのか、などの攻め方を持てる知識を駆使して考えていくことが大切です。大学では“研究”を題材にして科学的論理思考に基づいた総合判断力を身につけてほしいと思っています。

大学アイコン
中川 晋作 先生がいらっしゃる
大阪大学に関心を持ったら

 自由な学風と進取の精神が伝統である大阪大学は、学術研究でも生命科学をはじめ各分野で多くの研究者が世界を舞台に活躍、阪大の名を高めています。その理由は、モットーである「地域に生き世界に伸びる」を忠実に実践してきたからです。阪大の特色は、この理念に全てが集約されています。また、大阪大学は、常に発展し続ける大学です。新たな試みに果敢に挑戦し、異質なものを迎え入れ、脱皮を繰り返すみずみずしい息吹がキャンパスに満ち溢れています。