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住まいのデザイン~暮らしと風景をつくる~

関心ワード
  • 住宅・住まい 、
  • 復興 、
  • 建築デザイン 、
  • 建築 、
  • 風土 、
  • 風景 、
  • まち並み

講義No.g008621

「街の風景」をつくる「住まいのデザイン」

風土や人々の暮らし方が、その街の風景を作る

 あなたは、自分が住んでいる街の風景は好きですか? 世界各地の街には、その地域の風土や暮らしぶりを反映した独自の風景があります。しかし我が国では戦後から高度成長期にかけて、膨大な需要に応えるために画一的な住宅が大量に建設され、地域固有の「風景」が失われてしまった街も少なくありません。さまざまな理由で建築は建て替わっていきます。新しく建てられる建築に、その地域の風土や生活文化を反映したデザインがなされていけば、街の風景の「核」となる部分は受け継がれていくはずです。

地域の気候に応答する住まい

 南北に細長い日本では、地域ごとに気候条件もさまざまです。地域に残る伝統的な民家には、その気候条件に対応するさまざまな知恵が備わっています。例えば「合掌造り」など雪の多い地域特有の屋根の形や、敷地を囲む「築地松」など風の強い地域特有の防風林などはその一例です。こうした伝統的な民家がつくる風景は、「文化的景観」として近年その価値が見直されつつあります。
 一方で、家族形態や暮らしぶりは時代とともに変化していきます。変化する需要に応えながら、伝統民家の知恵に学び地域の気候に対応する新しい住まいの形を考えることが、現代の街の風景を創造する上で重要と言えるでしょう。

災害復興における風景の継承

 地震大国である日本の場合、家や街並みを一から造り直さねばならないこともあります。その場合も、新しい家をむやみに建築するのではなく、その土地ならではの環境や暮らしぶりに応える住まいのイメージを構想し、地域で共有していくことが重要です。そうすれば街並みが新しくなった後も、故郷への思いや生活文化を継承していくことができるでしょう。家と地域とのつながりや、地域コミュニティの形態などをヒントに、そこに住む人々が愛着を持てる住まいと街のあり方を研究するのが、「住まいのデザイン学」の醍醐味です。

この学問が向いているかも 住まいのデザイン学

西日本工業大学
デザイン学部 建築学科 准教授
三笠 友洋 先生

先生がめざすSDGs
メッセージ

 あなたは最近、どんな本を読みましたか? 勉強以外に、自分の世界が広がるようなことはやっていますか? 高校時代、勉強が非常に重要なのは言うまでもありません。しかし、勉強以外の活動を通じて学べることも少なくありません。読書や旅は、自分の世界を広げる最たるものと言えるでしょう。
 もしもあなたが、大学で「住まいのデザイン」について学びたいと考えているのなら、読書や旅などを通じて、人間のあり方、生活のあり方、環境のあり方に対する理解や感受性をみがくよう心がけてみてください。

先生の学問へのきっかけ

 小さな頃からものづくりが好きで、小学生時代はプラモデル作りに熱中し、小・中学校でも図画工作が一番好きで、授業で指導された方法からどれだけ外れられるかチャレンジしていました。大学では電気・電子分野に進みましたが、研究が専門的になるほど「使っている人」がイメージできなくなり、テレビの部品について研究しているのに、人の目に触れることがない素材を研究することにむなしさを感じ始めたのです。そこで人々の生活と密接に関連する建築学科に編入し、人々の暮らしと建築デザインとの関連について研究するようになりました。

大学アイコン
三笠 友洋 先生がいらっしゃる
西日本工業大学に関心を持ったら

 1967年、「人を育て技術を拓く」をモットーに、苅田町に工学部を開設。機械工学・電気情報工学・土木工学分野の高度な専門技術を学びます。2016年には次世代のロボットや自動車の開発者を育てる知能制御コースを新設しました。また、北九州市の中心市街地にある小倉キャンパス[デザイン学部]には、建築学科と情報デザイン学科を設置。「工学」と「デザイン」を融合させた教育、研究を推進し、「知と地の創造拠点」を目指し、地域・行政・企業との連携で地域の課題解決に取り組み、社会のニーズに合ったエンジニアを育みます。