夢ナビ

観光地の本当の「価値」や「宝物」ってなんだろう?

講義No.11414

本当の「宝物」は何?

 日本国内の観光地には、急激なインバウンド(訪日外国人観光客)の増加と新型コロナウイルスによる自粛で、いろいろな物事がジェットコースターのように変動する大変な状況がありました。そうした中でただ「観光を守ろう!」と叫んでも意味がありません。これまでも観光名所の周辺を開発しすぎてしまい、本当の価値だった「その名所からの景観」すら台無しにしてしまったケースや、観光の穴場とされていた場所の情報を広めすぎて人が殺到し、価値がなくなるといった事例は各所で見られてきました。観光の持続可能性を探るには、まず自分たちのいる場所の「真の価値」、その地域だけが持っている本物の「宝物」が何かを知るべきでしょう。

持続可能な観光地となるために

 観光旅行で人々は、目的地の景観、食事、歴史、文化、産業、あるいは人々の生活そのものなど、それぞれの関心にひかれてその土地を訪れます。京都であれば、着物を着て、お寺を訪れて、京懐石を食べる、そんな行為に楽しみや憧れを抱いてもらうことで、京都という観光地の価値が生まれるわけです。そのベースにあるのは地域住民の毎日の営みです。また、京都の伝統文化産業は家族経営が多く、ほぼ中小企業です。地域住民の日々の生活を守り、地域の伝統文化を受け継ぐ後継者を育てるための経済活動とのバランスをとることが、持続可能な観光につながっていきます。

いろいろな視点で価値を探る

 つまり、観光資源を守るには、さまざまな側面から考察し、観光地の中にいると当たり前すぎて気づきにくい価値に気づく必要があるということです。旧来のものを守りつつ、独自性を大切にし、時代の流れも反映する。それらのバランスを考えることが必要です。人には、知らないものを知りたい、触れたいという欲求があります。コロナ禍で従来のマスツーリズム(大衆化した観光)が難しくなった今、持続可能な観光のために、これまでになかった新しい手法を考える必要があるのです。

この学問がむいているかも観光学、観光資源マネジメント

平安女学院大学
国際観光学部 国際観光学科 教授
山本 芳華 先生

先生がめざすSDGs
メッセージ

 「本物」を直に見る、触れるという機会を逃さないようにしましょう。あなたが見てみたいと思う「本物」を観に行く行為が、自分だけの宝物をさがす「観光」となります。この宝物はその地域の大切な観光資源でもあります。大切な地域観光資源を自分の子どもや孫、そして将来の世代に持続可能な状態で引き継いでいくために、「自分にできること」は何かを考えてみましょう。観光学はいろいろな学びが集合した領域横断的な学問です。自分が極めたいと思う宝物を見つけることで、それを守るために何ができるかという学びを深めていきましょう。

メッセージ

 大学1年生の時にアルバイトで富士山の高山植物を研究する先生の秘書をしていました。1990年代でしたが、すでに地球温暖化の影響で高山植物の植生が山頂へ移動しつつあり、このままでは絶滅してしまうと知ったのです。それらを一部の理系の研究者は知っていても、行政や民間企業までは温暖化防止のためのアプローチができていないように感じました。そこで、理系文系の架け橋になりたいと思い、環境マネジメントを学びました。現在は観光学の側面から、環境のみならず文化や社会をふくめた持続可能な地域資源マネジメントを研究しています。

メッセージ

旅行会社プランナー/鉄道会社専門職/航空会社スタッフ/ホテルスタッフ/金融機関総合職/製造業総合職/起業カフェオーナー/ブライダルプランナー

※夢ナビ講義はそれぞれの先生の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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山本 芳華 先生がいらっしゃる
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 本学では、すべての学生が卒業後に必要な「社会人基礎力」と専門的な知識・スキルを修得することを目指しており、そのことが高い就職率につながっています。一人ひとり顔の見える手厚い少人数教育と、専門の学びにふさわしい環境も大きな魅力。観光のメッカ京都の真ん中で学べる国際観光学部、附属こども園や子育て支援施設、数々の遊戯施設を抱えて子育て中の母親や子どもたちと触れ合いながら学べる子ども教育学部。女子だけのアットホームな関係のなか、コミュニケーション力やチームワーク力が磨かれるのも女子大の特権です。

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