夢ナビ

究極の性能を持つソーラーカーには何が必要?

講義No.11381

過酷なレースを走破するソーラーカー

 車体の表面に装着した太陽電池パネルから得られる電力で走る自動車が、ソーラーカーです。オーストラリア大陸を縦断する全長約3,000キロのコースで1987年から開催されているワールド・ソーラー・チャレンジをはじめ、その性能を競い合うレースは世界各地で開催されています。

太陽の側に視点を置いたシミュレーション

 ソーラーカーの性能を左右する要素には、大きく分けて、車体の「空力性能」と、太陽電池パネルの「発電性能」があります。空力性能を追求すると、車体は丸みを帯びた流線形になっていきます。太陽電池パネルの発電性能は、車体の形状が平らであるほど向上します。車体の空力性能と太陽電池パネルの発電性能は、相反する関係にあるため、車両として最大の性能を発揮できるように設計する必要があります。
 車体の表面の太陽電池パネルの配置を検討する際、どの部分にどのような形で装着するとどのくらいの電力が得られるのかをシミュレートすることは不可欠です。車体の表面に湾曲した形で装着する太陽電池パネルの発電性能を算出するのは、従来の太陽電池から太陽の光量を計算する手法では難しく、誤差も大きくなりました。しかし現在は、太陽側に視点を置き、そこからソーラーカーの車体がどう見えているのか、影の部分は車体のどこに生じるのかを画像解析で計算できるようになりました。それらに基づいた発電性能のシミュレーションを行うことで、理論値との誤差を0.1パーセント程度にまで減らすことに成功しています。

ドライバーの技量による車両性能のばらつきをなくすには

 高性能なソーラーカーでも、ドライバーの技量次第でその性能を十分に発揮できない場合があります。ドライバーによるばらつきを根本からなくすためには、自動運転技術や、AI(人工知能)によるパターン分析などが必要になるでしょう。もし、それらの技術がすべて統合されたら、発電から走行、運転に至るまで、本当の意味で究極の性能を持つソーラーカーが誕生するかもしれません。

この学問がむいているかも機械システム工学、電気電子工学

東海大学
工学部 機械システム工学科 講師
佐川 耕平 先生

先生がめざすSDGs
メッセージ

 普段の生活の中で、いろいろな物事に対して、「これはどうしてこうなるのだろう?」と疑問に思ったり、それらについて調べたりすることを常に心がけてみてください。そうすると自然に、物事の本質はなんなのかを見極めるための見方、学び方を身につけることができます。
 また若いうちは、どんなことでもいいので、自分が本当に心から感動できそうなことをいろいろ探して回って、これと思うものに恐れずにチャレンジして、たくさん経験してみてください。

メッセージ

 子どもの頃から乗り物が好きでした。高校生の時にソーラーカーレースの手伝いをして非常に感動し、大学ではソーラーカーや電気自動車、パワーエレクトロニクスについての研究をしていました。卒業後は、自動車メーカーで電気自動車やハイブリッド車の研究開発に携わっていたのですが、10年経ってソーラーカーの技術研究を極めたいと思うようになり、大学に戻りました。現在は大学のソーラーカーチームの総監督兼ドライバーを務めています。

メッセージ

自動車会社 研究職、設計職/電気系会社 設計証/エネルギープラント 管理職

※夢ナビ講義はそれぞれの先生の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

大学アイコン
佐川 耕平 先生がいらっしゃる
東海大学に関心を持ったら

 国公私立大 合同進学オンラインイベント「夢ナビライブ2021Web in Autumn」に、佐川 耕平 先生が参加! 先生の講義ライブ動画を10月12日(火)までオンデマンド配信するほか、Zoomで先生に直接質問ができる「講義ライブ質問対応・研究室訪問」を10月3日(日)に実施。夢ナビライブは、600名以上の大学教授や200近い大学がさまざまなプログラムを実施する大型オンラインイベントなので、まずは「夢ナビライブ」で検索してください。

TOPへもどる