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観光地をどう創り出す? デスティネーションの創造と自然の活用

講義No.11327

自然を活用した観光

 観光地といえばパリや東京などの街中を想像するかもしれません。しかし、近年はネイチャー・ベースド・ツーリズムという、自然を活用した観光に注目が集まっています。人が密集せず、快適に過ごせる旅行先として、観光業界で期待される場所が国立公園や里山です。また、地方に新たな観光地(デスティネーション)つくる取り組みは、地域振興やオーバーツーリズム解消の点でも期待されています。
 ところで、これまで観光地ではなかった里山などに、どうすれば観光客を呼び込めるのでしょうか?

デスティネーションをつくる5つの方法

 デスティネーションをつくる方法は、5つ程度に分けられます。1つ目は屋久スギなど魅力的な「観光資源をそのまま展示する方法」です。食事に例えれば、お刺身やサラダです。2つ目は美術品など屋外展示できないものを建物内で見せる「観光施設の建設」です。食事では折詰め弁当が近いです。3つ目はある地域を囲い、内部をファンタジーや美しい自然で埋め尽くす「パークの設定」です。食事ではビアガーデンやBBQでしょうか。4つ目は期間限定で音楽フェスなどを行う「イベントの開催」です。食事でも期間限定メニューは人気です。5つ目は「制度の活用」によるブランディングです。世界遺産のように価値あるブランドイメージが定着すると観光客が集まります。食事でもミシュランなどの世界的ブランドがあります。以上の方法を単独で、あるいは上手に組み合わせる知識を蓄え、技術を身につけると、一流シェフの様な「観光地づくりのプロ」になれます。

人を近づけないための観光学?

 自然観光地の管理者には、観光客を近づけない技術も必要です。例えば珍しい野生生物を見るために観光客が大勢押し寄せると、その種が絶滅するかもしれません。行き過ぎた観光はオーバーツーリズムと呼ばれます。オーバーツーリズムは、地域の自然環境や地元の生活を脅かし、破壊する危険性があります。デスティネーションをつくるときには、環境や住民生活との調和も考えなければならないのです。

この学問がむいているかも観光学

東海大学
観光学部 観光学科 教授
田中 伸彦 先生

メッセージ

 今の日本には、観光地を新しく創り出せる人材が必要です。日本には、北海道から沖縄まで、あるいは深海から高山まで、多様な自然に恵まれていますが、我々は、まだそのアドバンテージを活かしきれていません。一度の旅行で流氷を歩け、サンゴ礁にも潜れる国は広い地球でも日本だけです。それほど日本は魅力的なのです。
 今あなたの住んでいる場所が観光地でなくとも、実は隠れた魅力がたくさん詰まっています。その魅力を引き出す知識や技術を学んで、住んでも訪れても幸せになれる場所を各地に生み出すため、観光学を一緒に学びましょう。

メッセージ

 海の近くで育ったため、大学ではあえて森林や農山村について学びました。特に興味を持ったのは、美しい自然を活用した「むらおこし」でした。勉強するうちに、自然と人とを結びける「観光学」の重要性に気づきました。明治時代から発達した日本の観光学の原点は、日光や富士山など「文化性の高い自然地域の魅力を外国人にどう伝えるのか」といった、自然の専門家たちによる議論だったといわれています。まさに自分が知りたいテーマにぴったりだと思い、「自然を活用した観光デスティネーション・マネジメント」という研究を始めました。

メッセージ

旅行業企画/宿泊業運営/航空業CA・地上職/鉄道業沿線まちづくり/広告代理店企画/まちづくりコンサルタント/農協職員/造園緑地管理業/指定管理施設の運営/ブライダルプランナー/地方公務員/観光研究者 など

※夢ナビ講義はそれぞれの先生の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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田中 伸彦 先生がいらっしゃる
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 国公私立大 合同進学オンラインイベント「夢ナビライブ2021Web in Autumn」に、田中 伸彦 先生が参加! 先生の講義ライブ動画を10月12日(火)までオンデマンド配信するほか、Zoomで先生に直接質問ができる「講義ライブ質問対応・研究室訪問」を10月2日(土)に実施。夢ナビライブは、600名以上の大学教授や200近い大学がさまざまなプログラムを実施する大型オンラインイベントなので、まずは「夢ナビライブ」で検索してください。

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