夢ナビ

研究と実践の円環から支える子どもの未来~小児看護学

講義No.11237

求められる学校看護師の力と社会的サポート

 日常生活を送るために人工呼吸器や酸素吸入、たんの吸引などのケアが必要な「医療的ケア児」は、年々増加しています。病院以外の教育機関でも、そうした子どもたちのケアを行う「学校看護師」をはじめとした医療の力が必要とされています。その役割は、子どもたちが安心安全に教育を受けられるよう、学校関係者と連携・協働しながら援助することです。
 各地方自治体では社会的サポートに取り組んでいますが、保護者が授業中に付き添いが必要なケースもあり、より細やかな対応が求められています。

保護者に必要なサポートを「レジリエンス」から分析

 子どもたちのケアが必要なのはもちろんですが、保護者のケアも大切です。家事や仕事をしながら障がいのある子どもを育てることは、心身に負荷がかかる場合が多く、ストレスや抑うつといった問題も見られます。保護者の「困難を乗り越える力(レジリエンス)」を支援するために何が必要か、という調査を行い、「同じ境遇にある人との出会い」「子どもの成長と共に保護者と子どもが離れて過ごす時間」「学校の医療的ケアの充実」などが重要であることがわかってきました。

看護の研究と実践から、社会に貢献する

 この調査で得られた結果から、「しゃんしゃん育ちの会」という新潟で暮らす医療的ケア児と家族の育ちを支える多職種のネットワークが立ち上がりました。このように「現場」の課題を「研究」として取り組み、その結果を「実践」に活かすような取り組みを続けています。小児看護の目標は、障がいの有無にかかわらず、すべての子どもが生き生きと過ごせる社会を作ることです。改善策を考え、実際の取り組みにつなげていきます。
 このように看護学は、研究成果を現場に活かせる「生きた学問」です。研究の積み重ねや発展は、看護学や医療の実践を確実に変えていくことでしょう。

この学問がむいているかも小児看護学、看護学

新潟大学
医学部 保健学科 准教授
田中 美央 先生

先生がめざすSDGs
メッセージ

 看護は実践の学問です。その知識・技術は、人びとが健康で自分らしい暮らしをおくるためにあります。これからの医療は、チームで連携する力が一層求められます。大変なことも多いですが、その分やりがいも大きく、さまざまな出会いがあなたの人生を変えてくれると思います。「出会いは気づき」です。高校生のあなただからこそできることがたくさんあります。人の話をよく聞き共感力を身につける、色々な考えの人を理解できるように本や映画から学ぶ、興味ある活動に参加するなど、未来に向けて自分自身の出会いと気づきを大切にしてください。

メッセージ

 大学時代、実習で障がい児の親の会の皆様と出会いました。そのエネルギーと価値観の多様さに心を動かされ、「障がいの有無にかかわらず、誰もが暮らしたい地域で生活できること」を支援するために、この学問を選びました。その後、NICUからの退院支援の難しさや、サポートの地域格差を目の当たりにし、その解決に向けて研究と実践に取り組んでいます。「当事者中心の支援」を大切にしています。

メッセージ

医療機関・行政・教育・医療関係企業/看護師・保健師・助産師・養護教諭・看護系大学教員/報道・アナウンサー/航空業界・客室乗務員など

※夢ナビ講義はそれぞれの先生の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

大学アイコン
田中 美央 先生がいらっしゃる
新潟大学に関心を持ったら

 国公私立大 合同進学オンラインイベント「夢ナビライブ2021Web in Autumn」に、田中 美央 先生が参加! 先生の講義ライブ動画を10月12日(火)までオンデマンド配信するほか、Zoomで先生に直接質問ができる「講義ライブ質問対応・研究室訪問」を10月3日(日)に実施。夢ナビライブは、600名以上の大学教授や200近い大学がさまざまなプログラムを実施する大型オンラインイベントなので、まずは「夢ナビライブ」で検索してください。

TOPへもどる