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家が見守る! 看護と工学のタッグで実現する安心生活

講義No.11168

看護と工学の連携

 近年、看護の世界にも工学、つまりものづくりの知見が求められるようになっています。例えば訪問看護師をはじめとした看護者が使いやすい医療機器や、床擦れを予防するマットレスの開発、人の傷の具合を人工知能(AI)にレベルチェックさせるアプリや、長時間装着しても問題ない、3D技術を応用した完全フィットのマスクの開発など、目的は多岐にわたります。いずれにしても、医療におけるものづくりは高性能であるだけでなく、実際に使う患者さん、看護師や医療者のことを第一に考えなければなりません。厳しい労働条件や、看護師不足を補い、改善の一助となるために、発展が期待される分野です。

人が安心して暮らせる仕組みを

 「人生の最期を自宅で迎えたい」と、看護や福祉の場が病院や施設から自宅へ移行する流れができつつあります。ただ「在宅の見守り」システムは、近年ブレイクスルー(従来の考え方の枠を打ち破った解決策)は見られません。「見守り」も、異変があれば家族や自治体の民生委員に知らせる程度で、ダイレクトに医療につなげる仕組みは試験段階です。この仕組みづくりにも、看護やケア、医療、工学などの異分野が連携し、貢献することが求められています。

求められる見守りシステムとは

 人に対して、ロボットがなんらかのサービスを行う住宅を「知能住宅」または「スマートホーム」といいます。そこではいすに座ったりカーテンを開けたりといった人の動作による圧力や力、光などの変化をセンサで感知し、計測します。さらに人の行動を先回りする、つまり推定できる機械学習やAIを適用させた住宅の研究が行われています。そうした技術の導入が急がれるのが、一人暮らしの高齢者の住宅です。病気などで住人が普段と違う動きをしたら、室内に設置したセンサが感知して自動的に医療機関へ連絡するなどの機能について、実用化に向けた研究が進められています。最新の工学が医療・看護と連携して、安心できる生活をつくる好例といえるでしょう。

この学問がむいているかも電気電子システム工学

大阪公立大学※2022年4月大阪市立大学と大阪府立大学の統合による開学
工学部 電気電子システム工学科 准教授
野口 博史 先生

先生がめざすSDGs
メッセージ

 自分に何が向いているかなど、今はなかなかわからないと思います。でも、だからといって「これは自分には必要ない」とか「役立たない」とか決めつけないでください。将来、面白さに目覚めたり、縁がないと思った分野で仕事をしたりといったことはよくあります。
 私も生物に面白みを感じない学生でしたが、看護学との研究に取り組むようになると、毎日が生物を対象とする世界で、教科書やノートを引っ張り出してきました。どこでどう縁がつながるかわかりません。学生のうちは、選択肢の幅を狭めず、精一杯頑張ってください。

メッセージ

 中学の頃から電子工作に夢中で、親にねだった電子工作キットでモノを作ったり、パソコンでプログラムを書いたりしていました。ただ、形のない情報分野に物足りなさを感じていたところに、大学のある先生の「休憩や睡眠が必要な人間に対し、ロボットは動き続け見続けられる存在。ロボットの本質はそこにある」という言葉に引かれました。スマートホームといった室内の電子化の研究から高齢者の一人暮らしの見守り、看護と工学の融合と、ロボットを背景に多岐にわたる研究をしています。

メッセージ

電機メーカー研究員/家電メーカー開発員/IT企業プログラマ/IT企業データアナリスト/福祉機器メーカー開発員

※夢ナビ講義はそれぞれの先生の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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野口 博史 先生がいらっしゃる
大阪公立大学※2022年4月大阪市立大学と大阪府立大学の統合による開学に関心を持ったら

 国公私立大 合同進学オンラインイベント「夢ナビライブ2021Web in Autumn」に、野口 博史 先生が参加! 先生の講義ライブ動画を10月12日(火)までオンデマンド配信するほか、Zoomで先生に直接質問ができる「講義ライブ質問対応・研究室訪問」を10月3日(日)に実施。夢ナビライブは、600名以上の大学教授や200近い大学がさまざまなプログラムを実施する大型オンラインイベントなので、まずは「夢ナビライブ」で検索してください。

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