夢ナビ

離れていても「見える」「わかる」技術で農業をサポート

講義No.11123

世界的な農業の課題解決に向けて

 農業に携わる人口は、日本だけでなく世界中で減少傾向にあります。人手不足を補うためには、生産効率を上げることが重要です。効率化の方法として、トラクターの自動化や、効率的な肥料の開発などが行われています。また、生産管理の最適化を支援するための技術として「リモートセンシング」があり、これは土地利用型の大規模な農地で効果的です。

身近に使われているリモートセンシング技術

 リモートセンシングとは、対象物に触れず、離れた位置からセンサで観測して、その情報を得るための技術のことです。代表的な観測データとして、人工衛星やドローンなどで空撮した画像があります。画像データは位置の情報を持ち、GIS(地理情報システム)によって地図やほかの地理空間データと組み合わせて見たり、解析することができます。GISは、地図サービスなどでも使われている技術です。衛星やセンサの進歩で、より詳細な情報をより高い頻度で得られるようになってきました。

農業だけでなくさまざまな分野に生かせる技術

 こうした技術を農業に展開し、栽培管理に利用する試みが進められています。ドローンを使えば、広い農地でもピンポイントで撮影できます。ただ、農業をリモートセンシングによって適切にサポートするためには、画像の処理に加えて、作物の生育や病虫害などの知識も必要です。生育状態や病気に応じて生じる植物の物理的あるいは生理的変化がどのように観測される値に変化を及ぼすかがわかればこそ、画像から植物の情報を得るために必要な解析アルゴリズムをつくることができるからです。このように、農業に限らず、リモートセンシングを現場で使ってもらうには観測対象について知ることが求められます。離れていても「見える」「わかる」などの強みを生かしながら、さまざまな分野の現場に求められる技術としてさらなる開発が進んでいます。

この学問がむいているかも地理情報科学、測量学

高知大学
農林海洋科学部 農林資源環境科学科 講師
橋本 直之 先生

先生がめざすSDGs
メッセージ

 私の専門領域はリモートセンシングで、衛星画像やドローン画像のように、離れた場所から対象物を撮り、データを解析します。地理情報システム(GIS)を使った地図サービスや天気予報の衛星画像などは身近な活用例です。農業や建設業など多くの分野で使われており、社会の基盤的な部分を支えるのが研究の醍醐味(だいごみ)です。
 高知大学農林海洋科学部は農地や山・海に恵まれ、実験などもしやすい環境にあります。あなたが、身近な製品やサービスの裏にある技術などに、知的好奇心を持っているなら、ぜひ私たちと一緒に学びましょう。

メッセージ

 大学では測量学の研究室で学びました。航空写真や衛星画像といった地理空間データを解析したり、測量結果から地図を作ったりと、それまで持っていた測量へのイメージよりずっと先進的だと知って関心を持ったからです。卒業後は民間企業で12年勤務していました。30代になって、社会で活躍する人材の教育に携わりたいと思うようになり、働きながら博士号を取得し、大学の研究職に就いたのです。私たちの扱う先進技術は生活の中で身近に使われています。社会人の経験からも、若い人達に学んでほしいことがたくさんあります。

※夢ナビ講義はそれぞれの先生の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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橋本 直之 先生がいらっしゃる
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 高知大学は、四国山地から南海トラフに至るまでの地球環境を眼下に収め「地域から世界へ、世界から地域へ」を標語に、現場主義の精神に立脚し、地域との協働を基盤とした、人と環境が調和のとれた安全・安心で持続可能な社会の構築を志向する総合大学として教育研究活動を展開しています。
 教養教育、専門教育、正課外教育やインターンシップを通じ「表現力」「プレゼンテーション能力」「コミュニケーション能力」「異文化理解能力」「情報活用能力」の5つの能力で社会の力になる21世紀の知識創造社会で活躍できる人材を輩出します。

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