夢ナビ

多文化共生時代を実現する、未来の日本語教育者とは

講義No.11095

交流の機会を通じて互いの理解を深める

 日本語を学びたい人に、日本語を教える教育者にとって、もちろん日本語の文法や語彙(ごい)などを理解してもらうことは大切です。それに加えてレッスンとは別に交流の機会をもつと、学習者がどのように日本語を習得するのか、何を求めているのかをつかみやすくなります。交流会での何気ない会話の中で理解し合うこともできます。

外国の絵本や日本の絵本をわかりやすい日本語に

 日本語教育の授業で行われている交流の例として、複数の大学の外国語専攻の学生が連携した交流学習があります。例えば、韓国語を学ぶ学生が韓国の絵本を日本語に翻訳します。それを日本語教育について学ぶ学生が、日本語教育という観点から「やさしい日本語」にするのです。作者の意図を変えずに文章を易しくするのは、想像以上に難しいことです。わかりやすい言葉になるよう文章を削ったり、書き直したりする過程において、日本語の専門家として、一つひとつの言葉に向き合い、確認することになります。さらに、国内外の外国や日本につながりのある子どもたちに対して読み聞かせをすることも行います。異なることを学ぶ学生や子どもたちとの交流から、別の視点や意見も吸収できます。日本語を教える、学ぶという関係にとどまらず、各国の言語や文化、違う考え方に触れて考え、尊重することの実体験を得られ、多文化共生社会の実践への糸口にもなるのです。

互いに尊重し合える未来の実現に向けて

 日本語教育に関わる実践は多文化共生社会づくりに深く結びついています。日本語を学ぶ人々と直接つながり、文化の多様性を知ることは日本語教育における大きな価値です。そして、日本語教育を学ぶことで、日本社会がどのような課題を持っているのか、私たちがそこにどのように貢献できるのかということも具体的に考えることになるでしょう。それがひいては互いに尊重し合える未来をつくっていくことにつながるのです。

この学問がむいているかも日本語教育学

宮城学院女子大学
学芸学部 日本文学科 教授
澤邉 裕子 先生

先生がめざすSDGs
メッセージ

 興味のあることにどんどんチャレンジしてほしいです。高校時代はその時期特有の感性があるので、体験しないともったいない気がします。今は、1つだけでなく、複数の知識や強みを持っていた方が有利な時代です。どんな経験も無駄にはなりません。
 そして、いろいろな本を読んでください。ちょっと背伸びして有名な先生のエッセイや本を読むと大きな発見もあるはずです。外国語に興味があるなら、英語だけでなく、いろいろな言語に触れておくといいでしょう。それだけで視野が広がります。

メッセージ

 中学の時、ハンガリーの子と文通しました。日本について教えると、平仮名や漢字を交えた返事がきて、とても楽しかったことを覚えています。英語での文通だったので、英語も好きになりました。高校時代に、日本語教育をしている先生の本を読んで感銘を受け、大学では言語学を専攻し、大学院で日本語教育を学びました。日本語学校に就職して、国際交流基金を通じて韓国へ行き、現地の学校でネイティブ教師として活動したことをきっかけに、韓国を中心に交流学習を中心とした日本語教育の研究を進めています。

メッセージ

日本語教師(大学、高校、日本語学校、公的機関)/地方公務員/教諭(中学校、高校)

※夢ナビ講義はそれぞれの先生の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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澤邉 裕子 先生がいらっしゃる
宮城学院女子大学に関心を持ったら

 国公私立大 合同進学オンラインイベント「夢ナビライブ2021Web in Autumn」に、澤邉 裕子 先生が参加! 先生の講義ライブ動画を10月31日(日)までオンデマンド配信するほか、Zoomで先生に直接質問ができる「講義ライブ質問対応・研究室訪問」を10月2日(土)に実施。夢ナビライブは、600名以上の大学教授や200近い大学がさまざまなプログラムを実施する大型オンラインイベントなので、まずは「夢ナビライブ」で検索してください。

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夢ナビ編集部