夢ナビ

人々の生命と生活を守る新たな「情報セキュリティ」とは?

講義No.10872

不具合を起こしたのはソフト? ハード?

 パソコン、スマートフォン、ゲーム機などはすべてソフトウェアとハードウェアの組み合わせで動作します。例えばゲームをしていて特定のキャラだけ操作に従わないとき、ほとんどの人はソフトのバグや不具合を疑うでしょう。しかし実際は、ハード上にセキュリティの欠陥が生じていることもあり得ます。

電磁波を盗む新しいセキュリティ攻撃

 情報機器は「ソフト側からこう指示を出せば、ハード側がこう動く」という命令の集まりで制御します。命令は電気信号でやりとりされます。情報セキュリティの攻撃者がパソコンなどに、電気信号を読み取るチップを取りつけたら、ソフトそのものは問題なく動きますから、大抵の人は信号を読み取られている事実に気づけません。軍事や外交などの現場では、そうした機密情報を守る、逆に奪うということが実際に行われています。かつては盗聴器や隠しカメラを使っていた攻撃は進化し、ターゲットのパソコンなどに「一定条件で動くプログラム」を埋め込む「トロイの木馬」技術が発達しました。今ではさらに、電子機器が発する電磁波を傍受する「テンペスト」技術が生まれています。

新しい攻撃には新しい防御が必要

 例えばディスプレイから発生する電磁波を傍受すれば、遠く離れた場所でも表示された文字を読むことができます。キーボードをたたく信号を読み取って壁越しにパスワードなどを盗む技術も実際に存在しているのです。さらに「電磁波の相反性」を利用し、誤った情報を相手のデータに流し込む技術もあります。これらの攻撃は日々進化していますが、防御方法はいまだ確立していないのが現状です。
 IoT・AI・ビッグデータの時代といわれる現在、スマートスピーカー、自動車の運転補助機能、バイタルモニタなど、私たちの生活や生命に情報セキュリティがますます深く関わっています。「電磁情報セキュリティ」の研究は、それらの安全をソフト・ハードの両面から考える新しい研究分野なのです。

この学問がむいているかも電磁情報セキュリティ、情報工学

福知山公立大学
情報学部 情報学科 准教授
衣川 昌宏 先生

先生がめざすSDGs
メッセージ

 あなたにとって大学はゴールではなく、思い描く人生を作り上げるスタート地点です。自分と指向や考え方の合う、自分の学びたいことに理解のある人々に出会える場所だからです。ただ単位を取るだけなら1年もあれば十分ですが、実際には大学で4年間も過ごすことができます。それは暗中模索し、知識を整理して自分を形づくる時間として4年用意されているのだと考えましょう。
 人生に最短ルートはありません。人とのつながりを得ながら、焦らず遠回りになってもやりたいことを見つけてほしいです。

メッセージ

 幼少時から電気で物が動く仕組みが不思議で、いろんな機械を分解する子どもでした。高校生の頃には当時流行した電子手帳でプログラムを書いて遊びました。ちょうど学校にインターネットがつながり、ネットワーク構築を建前にした実験をさせてもらい、UNIXの深い世界に没頭しました。当時はまだ制限の多かったEメールの使い勝手を良くしようとするなかでセキュリティ分野へも興味を持ち、アナログな電子回路、ネットワーク、セキュリティのそれぞれで実践をさせてもらえたことが現在の研究につながっています。

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衣川 昌宏 先生がいらっしゃる
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 2016年4月に開学した京都の新しい公立大学です。地域経営学部は、地域社会の事業体が、地域社会のあらゆる資源を有効に企画・運営・管理することにより、地域社会づくりや創り直しに寄与し「持続可能な社会」の形成に貢献するための学修を行います。2020年開設の情報学部は、先端情報技術を地域の生活や産業のあらゆる分野に応用し、暮らしを豊かにして、社会の安定に寄与する地域モデルを構築するための学修を行います。両学部ともに、地域住民・団体と協働して学び、研究を深める「地域協働型教育研究」が学びの特徴です。

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