夢ナビ

勉強すればするほど「できること」が広がっていく微分方程式の世界

講義No.10800

変化球はどうして曲がる?

 野球でピッチャーが投げたボールやサッカーでまっすぐ蹴ったように見えるフリーキックが、大きく落ちたりカーブしたりするのを見て、どうしてああいう動きをするのだろうと、不思議に感じたことはありませんか。そうしたボールの動きは、「微分方程式」という関数方程式で表現することができます。そして実は、小学校で学ぶ「速さ=道のり÷時間」という公式がベースです。小学校では「一定の速さ」で物事を考えましたが、実際のボールの動きでは、速さや移動方向は時々刻々と変化します。この変化はどのように起こるのか。それを、重力や空気抵抗、ボールの回転などを考慮して方程式として表現し、解析します。

数式を使って現象の本質を見つけ出す

 氷の溶け方、雪の結晶ができる過程など、自然現象の見えないルールを見つけ、数式で表すこともできます。とても難しい内容に思えるかもしれませんが、いずれも高校で学ぶ微分・積分を発展させたものです。思考力を鍛えて数学を駆使すれば、数学とは関連がないように思える分野へもアプローチすることができます。はっきりしたルールがわかっていない現象を数式を使って解明したり、ものづくりに生かしたりすることが可能なのです。

異なる分野の学問にも踏み込める数学

 私たちのからだは、たくさんの種類の細胞で構成されています。一つの細胞(受精卵)が細胞分裂を繰り返してさまざまな器官を構成するのですが、どのようにからだが形作られていくのか、はっきりとしたことはわかっていません。そこで、細胞の集団がどういう動きをするのか、どのように器官を形成していくのかを、数理モデルを使って解明する研究が進んでいます。細胞の振る舞いを、数学によって解き明かすというわけです。
 「数学を勉強していたはずなのに、いつの間にか医学分野の研究をやっていた」、そんな学際的な体験ができるのも、数学の面白さのひとつなのです。

この学問がむいているかも応用数学、数値解析学

龍谷大学
先端理工学部 数理・情報科学課程 准教授
村川 秀樹 先生

先生がめざすSDGs
メッセージ

 数学の授業の予習・復習をする時、あなたは何を参考にしますか。参考書ばかりに目を通していませんか。どの科目にも当てはまることですが、学びの基本は教科書です。特に数学の場合、参考書に載っている解法ばかりを覚えて当面の試験を乗り切っても、基本が理解できていないと、数学を別の分野に生かすことが難しくなります。
 大学で学ぶ数学は、化学や医学などへの発展が楽しめる学問です。微分、ベクトルなどの基礎をしっかり身につけておけば、数学の研究を発展させる醍醐味を味わえます。

メッセージ

 高校生の頃までは宇宙や機械が好きだったので、物理学か工学系の学部に進もうと考えていました。ただ、高校時代の物理はとても簡単に感じる一方で、数学が難しく思えたので、大学では数学をもっと学ぼうと決心。数学科に進学し、抽象的な数学で「数学の美しさ」に魅了されるようになりました。その後、「数値解析」という分野に触れ、数学をさまざまな現象の解析や説明に応用する研究に引かれ、現在の研究分野に進みました。興味のあることは何でも数学で取り扱えることを知った今は、この分野に進んで良かったと感じています。

※夢ナビ講義はそれぞれの先生の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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村川 秀樹 先生がいらっしゃる
龍谷大学に関心を持ったら

 『進取と共生』〜世界に響きあう龍谷大学〜
 龍谷大学は、370年の伝統を超え、新たな一歩を踏み出しました。
 その歴史は、江戸時代初期の寛永16年(1639)、京都・西本願寺に、仏教の研究と人材養成のための「学寮」が設けられたことに始まります。
 そして、近世から近代、現代への日本の歴史の中で新しさを重ねて370余年。
 現在では京都・滋賀の3つのキャンパスに、9学部・31学科、専攻と短期大学部、大学院を擁する、全国屈指の総合大学として、発展を続けています。

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