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空気の流れをコントロールして、自動車の性能を高める

講義No.10684

自動車の性能&デザインを左右する「空気」

 自動車を走らせると空気抵抗を受けますが、その抵抗を減らすと燃費を向上させることができます。その一方で、走行時の安定性を得るには、空気の力で車体を下に押す力、ダウンフォースを生み出すことも必要です。これがないと、高速走行時に車体が浮き上がり、大きな事故につながりかねません。
 より良い自動車をつくるには、走行時の空気の流れのバランスをいかに整えるかが重要になります。それを考えるために必要なのが流体力学です。

空気の流れを制する方法

 流体力学は、空気や水などの気体や液体の流れに関わる学問です。コンピュータでのシミュレーションや実験装置を使い、空気の流れを可視化すると、そこで何が起きているのかがわかります。自動車であれば、ボディの傾斜や微妙な角度の違いによっても空気の流れが変わってくるのです。車体の前から後ろに流れた空気は、小さな渦を巻いて乱れています。渦を消してきれいに流すために、スポイラーやウイングというパーツをつけたりします。しかし、そうした見た目を嫌うユーザーもいるでしょう。
 そこで着目されたのが、「プラズマアクチュエータ」です。これをつけると、渦を巻いていた空気が流れるようになり、空気抵抗を減らすことができます。プラズマアクチュエータは、プラズマを発生させる、薄い銅板を使った単純な装置です。プラズマが空気の流れを剥がしたり引っ付けたりする役割を果たすため、渦を消すことができるのです。

プラズマでデザインをより自由に

 また、空気は振動すると音を出します。強風の時に、電柱の近くやビルの間で風の音がするのは、そこで発生した渦で空気が振動するからです。これにも、プラズマアクチュエータを活用できます。空気の渦を消すのに適したプラズマの周波数を探り、プログラムで制御します。空気の力をコントロールする方法はさまざまです。見た目が気になるパーツを使わず制御できるとなれば、クルマのデザインもさらに自由度が高まるでしょう。

この学問がむいているかも流体力学、機械システム工学

愛知工科大学
工学部 機械システム工学科 教授
石原 裕二 先生

先生がめざすSDGs
メッセージ

 高校までは、先生から与えられた課題をもとに勉強を進めることが多いでしょう。もちろん、基礎力をつけるために重要なことです。一方、大学では学びたいことを自由に選べます。自分で考え、課題を見つけて調べ、学び、実践するという自主性が必要になります。わからないことは自分で答えをつかみ取りにいく姿勢も大切です。
 勉強に限らず部活動でもいいので、今から、あなたが好きなこと、夢中になれることに取り組んでください。そうした力を今、身につけておけば、大学でさらにその力を伸ばし、社会に出て活躍できるはずです。

メッセージ

 子どもの頃から飛行機が大好きで、プラモデルなどを作って遊んでいました。物理や数学が得意だったため、工学部機械科に進学し、飛行機を飛ばす力でもある流体力学を専攻することにしました。今のようなシミュレーションシステムがなかった時代です。応用数学を用いて、流体を把握するためのシミュレーションを構築していきました。その後、自動車メーカーの研究所で流体力学や自動車空力に関する仕事に就きましたが、一つのメーカーだけでなく、もっと広い視野で研究したいという思いに至り、大学での研究の道を選びました。

メッセージ

自動車部品メーカーエンジニア/自動車企画・開発会社エンジニア/自動車ディーラーメカニック/総合エンジニアリング会社エンジニア/設計会社設計技術者/電子部品メーカー技術者

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石原 裕二 先生がいらっしゃる
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 愛知工科大学は、工学部:機械システム工学科、電子ロボット工学科、情報メディア学科の3学科を設置しています。モノづくりの盛んな地の利を生かし、1年次から始まるインターンシップや企業・自治体等と取り組むプロジェクト型授業、実験・実習を多く取り入れたカリキュラム編成など、モノづくりを体感しながら学ぶ実践的技術者教育を展開しています。また、所属学科の科目とは別にIoT技術(デジタル化技術、ネットワーク化技術、データ活用技術)を学べる学科横断型特別選抜教育となる「IoTモノづくりコース」を設置しています。

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