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国境を越える女性たち ~「国際社会学」の視点で考える~

講義No.08511

「国際社会学」とは

 人間はしばしば国境を越えて移動します。移民、難民、移住労働者、外国人住民などと呼ばれる人々です。彼らは一見、自由意思によって移動しているように見えますが、すべての人がそうだとは限りません。また、彼らを受け入れる側の社会にも、さまざまな課題が生じます。
 「国際社会学」とは、国境をまたいで起こるさまざまな社会現象を、社会学の手法を使って研究する学問です。現代はグローバル化によって、「人の移動」が大規模に、複雑に進行する一方、新たな社会問題や社会的な課題が生まれています。そうした社会現象の実相を明らかにすることも、国際社会学のテーマです。

女性と子どもに注目する視点

 国際社会学の中で、女性や子どもの存在は、これまで国境を越えて移動する人たちとして正面からとらえられてはきませんでした。しかし、働くため、結婚するために国境を越える女性たちは、決して珍しくはありません。女性が国境を越えて移動して、子どもを持てば、その子どもは生まれながらに外国とつながっていることになります。こうした女性や子どもたちの生活や意識がどのようになっているかを調査し研究することも、重要な視点です。

外国人をどう受け入れる? 多文化共生とは?

 日本の社会は、民族や国籍の多様性を認めることに消極的で、現在でも原則的には、外国出身の単純労働者を認めていません。しかし日本は近い将来、深刻な労働力不足が起こると予想されており、不足する労働力を補うためにさまざまな試みが行われています。家事労働や介護の現場に、フィリピンやインドネシア、ベトナムなどからの労働者を受け入れる動きもその一つです。
 その際、何より大切なのは、移動して来る人がよりよい人生を送れ、日本社会が活性化する方向に向かうことです。そのためには、人の移動によって何が起こるのかを研究し、どうすれば「ひずみ」を生まずに共生できるのか、多文化間でのよりよいコミュニケーションのあり方を研究することが必要です。国際社会学はその一翼を担うことが求められているのです。

この学問がむいているかも国際社会学、社会学

フェリス女学院大学
文学部 コミュニケーション学科 教授
小ヶ谷 千穂 先生

先生がめざすSDGs
メッセージ

 「国際社会学」は、国境をまたいで起こるさまざまな社会現象をテーマにしています。また、「多文化共生論」では、文化的多様性や民族的多様性が社会を豊かにすると考えます。
 私はこうした学問領域で、ミクロな世界に注目し、人々の具体的な暮らし、働き方、意識などについてフィールドワークを重ねています。こうした学びを通して、平和で誰もが人権を尊重される社会をめざすことが、国際社会学の使命の一つではないかと考えています。ぜひ、フェリス女学院大学のコミュニケーション学科で、一緒に歩き、学んでいきましょう。

メッセージ

 人間に興味があり、大学では社会学部に進み、初めはアメリカやヨーロッパの民族問題や、ヨーロッパ諸国における「人の移動」に関心を深めていきました。
 しかし、研究を進めるうちに、世界各国へ活発に移動しているフィリピンの人々の存在に気がつき、日本にも多くのフィリピン人が入国し、話題になるとともにさまざまな課題も生まれていたのです。
 社会学を通じて、よりよい社会を作りたいと願い、「フィリピン人の国際的な移動」、中でも女性の移動の実態や、移動によって誕生した子どもたちの課題の解明に取り組み始めました。

メッセージ

旅行会社企画担当/情報通信業者海外営業/総合商社/電気メーカー海外営業/大学職員/NGO職員/教育産業/ITコンサルタント/マスコミ(TV、通信社)など

※夢ナビ講義はそれぞれの先生の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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小ヶ谷 千穂 先生がいらっしゃる
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 フェリス女学院大学は、1870年に日本初のキリスト教系女子教育機関として誕生して以来、
 「For Others」をモットーに自立した女性を育成することを目的として教育を続けてきました。
 主体性を伸ばす少人数教育やきめ細やかな学習サポート、豊富な海外留学制度や個人相談を重視した就職サポートなど、学生の意欲と質を高める制度も充実しています。
 創立者メアリー・E・キダーは、明治期に女子教育を行うという目標に果敢に取り組みました。フェリス女学院大学で、あなたらしい目標を探してチャレンジしてみませんか?

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夢ナビ編集部