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運動前のストレッチはNG? 脳と体のメカニズムに基づく理学療法

講義No.07464

ストレッチが脳と体に及ぼす影響とは?

 「十分にストレッチをしたのにアキレス腱を痛めてしまった」、という話を聞いたことはありませんか? 実は運動前に持続的なストレッチをするのは間違いなのです。ストレッチをすると脊髄レベルで抑制が起きて、筋力を発揮する能力が低下してしまうからです。では運動前には何をすればいいかというと、ラジオ体操のようなダイナミックな動きをしてウォームアップにより体を温めることが有効です。

脳は運動パターンによりプログラミングされている

 「脳が覚醒しているときには、筋肉は力を発現しやすい状態である」ということや、「骨折などにより痛みや筋力が低下した部位があるときは、脳はその部位を使わないようにプログラム化し、目的の行為を行う」こともわかっています。その変容されたプログラムにより二次的な障害が生じる可能性があります。二次的な障害が起きないように痛みを改善し(動いても痛くないようにする)筋力を効率的に強化し、脳のプログラムを正常化する方法が必要です。その方法としてPNFという理学療法の研究が行われています。

動く部分を使って動かない部分に働きかける

 腕の骨折により長く固定されていて痛みがあり動かせないという場合があります。このような場合に、ストレッチをしないで下肢や体幹などほかの動く部分に抵抗をかけながら運動させ、動かない部分が動くようにする、「モビライゼーションPNF」という新しい理学療法が開発されました。モビライゼーションPNFにより、痛みを抑制し、目的の部位の活動性を増すことが脊髄・脳レベルで臨床的に効果があることがわかってきました。
 つまり、昔は運動する前に持続的なストレッチにより筋をストレッチすることが有効とされていましたが、今ではダイナミック(動的)な運動を行うことでパフォーマンスが高まることが明らかになりました。そのための有効な方法を科学的に模索していくことが、さらなる運動のパフォーマンスの向上・傷害予防・効率的な筋力強化につながるのです。

この学問がむいているかも理学療法学

首都大学東京
健康福祉学部 理学療法学科 教授
新井 光男 先生

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 自分の興味があることが職業と結びつくのは幸運と言えるでしょう。ただ、興味があるからといって適性がある、成功するとは限りません。しかし、自分の興味ややりたいことを一つの基準にすることは大事だと思います。
 自分の能力や将来設計に不安と希望が混在しているのが高校生の時期だと思います。チャレンジすることで自分の適性が発見でき、気づくことは多くあります。あなた自身の得意な分野を発見し、自分の可能性を追求していってください。

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