夢ナビ

スマホの向こうに見えるアフリカの地域紛争

講義No.06461

スマホでつながる「あなた」と「アフリカ」

 あなたが使っている携帯電話やスマホ、ノートパソコンの部品に使われている金属がどこから来ているか考えたことがありますか? その中の一つ、コルタンというレアアースはアフリカのコンゴ民主共和国から来ているのです。そして、この希少金属をめぐって、複数の武装グループによる奪い合いが起きています。20年以上紛争が続き、政府の統治能力は弱いため武装グループが力を持ち、軍も警察も、国からの給料は当てにできず武装グループに手を貸してお金を得ているような状況です。周辺の国からもこの資源を狙って国境を越えてくる勢力があるため、紛争が拡大しています。

紛争の解決をめざす動き

 この紛争問題は、アメリカが取り上げるようになって少しずつ知られるようになってきました。また、アメリカでこうした金属を取引している企業は、スマホなどの機器に使用されている金属がどの国で採れたものか報告することが法律で義務付けられました。しかし、アメリカだけの対策では解決は難しく、先進国が協力してルールを作る必要があると考えられています。

紛争研究という学問

 このような地域の紛争を扱う「紛争研究」という学問は以前からありましたが、特に研究が盛んになったのは1990年代以降です。そもそも国際関係や国際政治といった学問は、「戦争をなくすには」というテーマが出発点で、第一次世界大戦や第二次世界大戦を経て広がっていきました。ところが、東西冷戦が終結した1990年代以降、大国同士の戦争は起こりにくい状況になりました。逆に、地域紛争は1980年代の終わりから増えています。その理由の一つに、上記のような経済のグローバル化と資源の価格高騰による奪い合いが考えられます。そこで、地域的に起きている紛争を対象にする研究が盛んになったのです。
 人間が生きる限り対立はなくなりませんが、少しでも犠牲を少なくするにはどうしたらいいかを考えるのが紛争研究という学問なのです。

この学問がむいているかも紛争研究、国際政治学

フェリス女学院大学
国際交流学部 国際交流学科 教授
古内 洋平 先生

先生がめざすSDGs
メッセージ

 スマホや携帯はあなたの生活に欠かせないものでしょう。しかし、アフリカのある地域では、スマホの部品となる金属の奪い合いで紛争が起き、人の命が失われています。私たちの生活は、実は遠いアフリカの紛争とつながっているのです。
 このような、私たちと世界の複雑なつながりを理解するには、学際的・総合的な学びが必要です。フェリス女学院大学の国際交流学部では、国際協力・文化交流・人間環境という3つのプログラムを通じて、学際的・総合的な力をつけることができます。世界と私たちのつながりを一緒に学びましょう。

メッセージ

 私は、地域紛争の研究が専門です。1994年、アフリカのルワンダという国で大虐殺が起きたのですが、その難民を支援するNGOの講演を、大学1年のときに聞いたのが、この道に進むきっかけになりました。それまで、国際問題には、さほど興味を持たず、新聞もスポーツ欄ぐらいしか見なかったので、その実態を知らなかった分、衝撃が大きかったのです。大学の4年間、そのNGOを手伝いました。それはとても充実した時間でした。そして、現場で働くのもいいけれど、研究でサポートしたいと考え、研究の道に進んだのです。

※夢ナビ講義はそれぞれの先生の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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古内 洋平 先生がいらっしゃる
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夢ナビ編集部