夢ナビ

食わず嫌いをなくそう! それが異文化理解の第一歩

講義No.06120

広がる世界、狭くなる「私」

 大きな変動が起きつつある21世紀を生き抜くには、国家や社会の枠組、「文系vs理系」といった見方など、旧世紀(20世紀)の見方を変えなければならないでしょう。海外で起きた事件が普段の食卓に大きな影響を与える時代です。文化人類学の視野を「宇宙」というフィールドに広げる理由もここにあります。
 一方で、インターネットや衛星通信技術の発展により、いつでも誰でも自宅に居ながら、世界中の膨大な情報を得られるようになりました。しかし、本当に自分にとって有意義な情報が手に入っているでしょうか。ネットのおかげで流れ込む洪水のような情報は、かえって個人の視野を狭めているかもしれないのです。なぜなら、「自分のほしい情報を検索して選択できる」ということは、「自分が興味のある情報しかゲットできない」という事態も招くからです。

メガヒット曲が出なくなった理由

 例えば音楽をダウンロードで買うようになってから、メガヒット曲は出にくくなりました。自分の好きなジャンルの曲だけを検索し、そのほかのジャンルをまったく聴かない傾向があります。テレビかラジオしかメディアがなかった時代は、一方的に情報を受け取るしかなかった代わりに、流れてくるいろいろなジャンルの曲に出逢うチャンスがありました。つまり、自分で選べないからこそ、期せずして自分の守備範囲以外の「異文化」「世界」に触れる機会があったといえます。

異文化のフィールドに五感を駆使して飛び込もう

 文化人類学では、自分たちとは違う異文化を生で体験し、肌で感じることが重要視されます。海外では、日本人が理解しがたい出来事に出逢います。そんな時、「彼らとはわかり合えない!」と決め付ける前に、異文化がわからないものであるからこそ自分たちのやり方が本当にいいのかどうかから考え、相手のフィールドに飛び込む必要があります。新しいフィールドに飛び込んで自分を広げ、体と頭をフルに使って「なぜだろう」と考え続ける姿勢が、深い異文化理解・共存につながるのです。

この学問がむいているかも文化人類学、国際文化学

神戸大学
国際文化学部 国際文化学科 教授
岡田 浩樹 先生

先生がめざすSDGs
メッセージ

 21世紀を生きていくあなたは、個人的な「好き・嫌い」や、国家、民族レベルの常識で物事をはかるのではなく、日常生活から越えて宇宙に浮かぶ「地球」イメージ(グローバル)にまで想像力を広げて考える必要があります。グローバル化が進む今日、ある出来事が一つの原因で説明できるような単純なものではありません。だけどそれが21世紀の世界に生きていることの面白さです。すぐに「わかった振り」をするのではなく、「違ったものを違ったまま」に、「わからないものをわからないまま」に考え抜く、そんな知的体力をつけましょう。

メッセージ

 私は、岐阜県の飛騨高山の出身です。高山には最近では海外も含め年間約200万人の観光客が訪れます。地元では「当たり前」の生活や行事が、なぜ「違ったもの」として観光客の関心を集めるのか、小さい頃から疑問に思っていました。高校時代は理系で、1年間の浪人生活をした予備校の寮でいろいろな地方から来た友人達と出会い、異なる生活、文化や社会の違いに関心をもちました。そして「文化人類学」という学問分野を知り、異文化を理解すること、人間の多様性の見ることのおもしろさにひかれたのが、この分野に進んだきっかけです。

メッセージ

国家公務員/地方公務員国際担当/国際公務員/国際機関職員/商社/製造業海外勤務/外資系企業/外合弁企業/マスコミ

※夢ナビ講義はそれぞれの先生の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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夢ナビ編集部