夢ナビ

会話から読み解く「ポリティクス」

講義No.05661

混沌とした世界情勢に目を向ける

 平和な日本に住んでいると、社会情勢が不安定な中東や東南アジアのポリティクスに目を向けることは簡単ではありません。しかし知りうる手段はたくさんあります。その一つが、世界の社会情勢が映し出されたドキュメンタリーや映画などの映像から会話を聞き取り、内容を分析することです。特にイスラム社会では、言語活動と国の政治活動が強く関わりあい、その背景に潜む問題点がとても根深いことがわかってきます。

生き方を自由に選べない世界がある

 パキスタンに住む、当時14歳の少女、マララ・ユスフザイさんがイスラム武装勢力組織「パキスタンのタリバン運動」を批判したとして銃撃されたのは、2012年10月のことでした。彼女は自らの教育を受ける権利を主張したのですが、そんな少女が標的になるのは理不尽ですが、これは現実です。教育は女性を反抗的にさせる、という理由から女性に教育を受けさせることを禁じたり、女性の就労を限定したりする国はたくさんあるのです。男女間だけではなく、信仰する宗教や身分の違いによって、自由に生きる権利すら得られない人々が大勢いることも事実です。

会話に潜むジェンダーを問う

 パレスチナ自治区の検問所を通る、パレスチナ人女性にジョークを言うイスラエル軍の男性兵士の映像の会話を聞くと、ジョークに隠された侮蔑と女性の恐怖が明らかになってきました。会話を聞き取る際、特に注目するのが付加疑問文です。「~ですね?」と相手に念を押したり確認したりする表現で、語尾を上げれば質問の意味合いですが、下げたときは、言い方によっては高圧的に相手の同意を強く求める言い方へと変化します。男女間に見られるこのような会話の特徴から、イスラム社会が抱えるジェンダーが透けて見えます。こうした日常に根付く問題を国際社会の中で取り上げることが、今、強く求められています。

この学問がむいているかも社会言語学、言語人類学、人間科学

秋田大学
国際資源学部 国際資源学科 資源政策コース 教授
三宅 良美 先生

メッセージ

 インドネシアやイスラエル、米国で生活し、国や周辺地域で起こったさまざまな社会問題を体験したからでしょうか、日本がとても平和な国であることを実感します。平和な日本で暮らしているあなたは、自由に学ぶことができますし、世界を知る機会もじゅうぶんに与えられているのですから、とてもラッキーです。自分は恵まれた環境にいるということをしっかり認識して、学びに対してもっと貪欲になってほしいのです。そして、世界中で起きている出来事に、常に問題意識を持って向き合ってください。

※夢ナビ講義はそれぞれの先生の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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 地球を舞台に活躍する資源スペシャリストを養成する「国際資源学部」、教育分野や地域社会における現場実践力を養う「教育文化学部」、地域医療の核となり人々の健康と福祉に貢献する「医学部」、独創的な発想と技術力を育む「理工学部」の四学部が連携し、地域に根ざし世界に発信する教育・研究拠点をめざしています。
 四季の彩り豊かなキャンパスでは、日本全国そして世界各国から集った学生がそれぞれの目標に向かい、勉学や課外活動に打ち込んでいます。

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