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文章力の低下が、日本語存続の危機を招く!

講義No.00093

なぜ、日本人は文章力がないのか

 あなたは文章を書くことは得意ですか。読書感想文の宿題や入試の小論文などで頭を抱えてしまう人は、意外と多いのではないでしょうか。
 文章が書けるということは、「誰に対しても誤解なく自分の言いたいことを伝える」技術があるということ。ところが、その技術に長けている日本人は非常に少ないと言わざるをえません。なぜなら、日本が教育の現場で体系的に文章を書く方法を教えていないからです。さらには読書習慣がなくなりつつあり、ネットの影響で硬い文章にふれる機会も失われているので、国民全体のリテラシー(読み書きする能力)はどんどん低下しています。

日本語が滅びる日がやってくる!?

 英語は英語圏で、スペイン語はスペイン語圏で通じるように、外国語はいくつかの国で言語人口が確保されていますが、日本語は日本でしか通用しません。つまり、日本語市場はとても小さく、このまま国民全体のリテラシーが低下していくと、日本語が滅びてしまうかもしれないのです。
 では、いったいどうしたら日本語市場の縮小を防ぐことができるのでしょうか。それは、日本語をきちんと書いたり話したりできる人を大勢確保するということです。
 まずは私たち一人一人のリテラシーを向上させていく必要があります。新聞の解説記事のように平明な日本語で書かれた文章を、読んだり要約したりする作業が効果的です。もちろん、詩や俳句など文学をめざす人は、解説的な文章以外に、味わいのある文章と親しむことも大切です。しかし、裾野が広がれば頂上も拡大するはず。国民全体の文章力が向上すれば、自然と文学作品が育つ土壌も整うでしょう。そう考えると、前提としては、誰もが平明な日本語を扱えるようになるのが理想なのです。
 また、マンガや小説などを利用した文化戦略や、海外から来ている労働者に対する日本語教育を推進するなどして、日本のファンを増やすことも今後は視野に入れる必要があるでしょう。

この学問がむいているかも理工学研究科

山形大学
学術研究院 基盤教育担当 教授
山本 陽史 先生

メッセージ

 情報を伝達するための手段であるメディアは文字や絵が書かれた紙が中心の時代が長く続いたのですが、19世紀後半からは音声や映像を伝える映画フィルム・電波・レコードなどが大きな手段となり、最近はインターネットへと大きく変貌してきました。この急激な変化は人間が生みだしたのですが、人間自身が振り回されているのが現状です。メディア・リテラシー教育が今こそ必須なのです。

※夢ナビ講義はそれぞれの先生の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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山本 陽史 先生がいらっしゃる
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 山形大学は、東日本有数の総合大学であり、4つのキャンパスはネットワークで融合されています。社会のリーダーにふさわしい基本能力と幅広い教養を身につけるため、教養教育に力を入れています。大学運営の基本方針として、一つは、何よりも学生を大切にして、学生が主役となる大学創りをするということ、そしてもう一つは、教育、特に教養教育を充実させるという2点を掲げています。

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夢ナビ編集部