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損傷した筋肉を修復する筋サテライト細胞とは

講義No.03547

骨格筋を形成するユニークな細胞

 私たちヒトの筋肉は、体を動かす「骨格筋」と心臓を動かす「心筋」、そして内臓を形成する「平滑筋」の3種類があります。そのなかで骨格筋はとてもユニークな特徴を備えています。まず、骨格筋は細い繊維状の細胞が束になったものです。その1本1本を筋繊維と言います。細胞というととても小さいものというイメージがありますが、筋繊維は、長さ数ミリから10センチぐらいにまでなり、肉眼でも見えるほどとても大きなものです。さらに細胞には核が一つずつ入っているのがふつうですが、筋繊維には核がいくつもあるのです。

筋肉再生の主役、筋サテライト細胞

 この筋肉が傷ついたり、断裂してしまったりすると、筋肉は再生を始めます。その過程で大活躍するのが、筋サテライト細胞なのです。
 筋サテライト細胞は、筋繊維の表面にへばりついている小さな細胞で、普段はまるで眠っているかのように何も活動していません。細胞分裂すらしていません。しかし、ひとたび筋肉が損傷を受けると、筋サテライト細胞は活性化します。まず、細胞分裂を始めて数が増えます。細胞分裂を繰り返すうちに、中には全く別な種類の細胞に変化するものもでてきます。これを「分化」と言います。分化した細胞は決して元に戻ることはありません。そして、それらはいくつか集まって「筋管」というものになり、それが育って筋繊維になります。こうして筋肉は再生し、修復されるのです。

培養技術で飛躍的に伸びた筋肉の研究

 損傷を受けた筋繊維にへばりついている筋サテライト細胞が活動を開始する過程は、筋繊維と筋サテライト細胞を生きたまま培養する技術が確立されて初めて明らかになりました。この技術は1994年に確立された、比較的新しい技術です。現在は筋サテライト細胞そのものをさらに深く調べる研究が、世界中で進められています。
 これからはますます筋サテライト細胞や筋肉についての新発見が続くでしょう。

参考資料
1:筋繊維と筋サテライト細胞の写真
この学問がむいているかも生物学

東京大学
教養学部 生物部会 助教
長田 洋輔 先生

メッセージ

 自己反省も含めて、高校生のあなたにはチャンスに対して貪欲であってほしいと思います。東大では「高校生のための金曜特別講座」という講座を行っていますが、意識の高い高校生はそういった場所を探して集まります。それによっていろいろな体験ができます。そういったことの積み重ねで人生は変わってくるのです。
 また、私は高校時代陸上部の活動で忙しかったので、塾には行かず、細かい時間を見つけては、空いた時間に通信教育で勉強していました。このように、自分に向いた勉強方法を見つけてください。

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