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群馬大学の教員による講義

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先進医療の明日を支える! 量子ビーム科学の役割

測定、治療、加工に応用

 量子とは粒子と波の性質を併せ持つ物質またはエネルギーの単位です。物質をつくる原子や、原子をつくる電子、中性子、陽子など、さらにはX線、γ線などの電磁波を指しています。これらの量子を細いビーム状に整えたものを「量子ビーム」といい、これを専門的に扱う学問を「量子ビーム科学」といいます。
 量子ビームは高いエネルギーをもっており、物質に当てて反応を調べることで性質や状態を正確に測定することや、生物細胞のDNAを壊したり、物質を作り替えたりすることができます。量子ビーム装置は、CERN(欧州原子核研究機構)が保有する加速器のように全長が山手線ほぼ1周分という巨大設備もあれば、電子顕微鏡といった近年では1部屋に入りきる装置もあります。

重粒子線でがんを治療

 がん治療に使われる放射線・量子ビームにはさまざまな種類があります。X線が広く使われていますが、X線では処置しきれないがん細胞もあるため、より高い効果を上げる方法として注目されているのが、陽子線やヘリウムより重い原子のイオンを使った重粒子線治療と呼ばれる治療法です。このような新しい技術において、細胞一つのレベルで粒子がどのように生体に影響を与えるかを把握することが、これまで治療が困難ながんを対処していく上で重要であり、半導体などのセンサを作りながらこれらの働きを調べています。

医療従事者の目を守る

 先進医療において、治療に加えて診断も重要です。診断における新たな技術として、IVR(放射線などを使う画像診断装置を使って体の中を見ながら治療する方法)があります。これは高い治療効果が期待できる半面、医療従事者の放射線被ばくリスクがあります。特に目の水晶体は被ばくしやすいため、2011年頃から国際的な規制ルールが検討されています。ルールをつくるには、治療中にどれほど被ばくするのかを、放射線計測の知見を使い正確に評価する必要があります。現在は眼鏡のようなウェアラブル装置をつくり、レンズ部分で放射線を感知する機器を研究しています。

この学問が向いているかも 量子ビーム科学、放射線計測学


理工学部 電子・機械類(電子情報通信プログラム) 准教授
加田 渉 先生

先生がめざすSDGs
メッセージ

 高校に限らず、大学に入った後も「学び」は続きます。学びの過程では、さまざまなことを教わります。しかし、どこかでどうしてもわからないことに行き着くはずです。そこから先は、自分がどう調べ、考えていくかが問われます。それと同時に、それは学びの本当の楽しさにも触れられる領域だと思います。
 ぜひ私たちと一緒に、自分が知りたいことを、自分で知りに行く楽しさを味わいましょう。

先生の学問へのきっかけ

 私は、イオンビームやレーザーを中心とした量子ビーム科学や、放射線計測技術を専門としています。特に、医療などに使われる量子ビームや放射線の測定をキーワードに、さまざまな研究を行っています。高等専門学校時代に、雪を観察するための特殊な装置を作ったことがきっかけで、自然科学のさまざまな現象を工学的な技術を使って計測することに面白さを見出しました。研究者になってからは、大学や日本原子力研究開発機構といった研究機関に所属しながら、放射線やイオンビームを使った、より高度で専門的な計測を追求しています。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

国立研究機関・研究員/地方公共団体・技術系公務員/メーカー・技術開発

※夢ナビ講義はそれぞれの先生の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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