夢ナビWebセレクション

南九州大学の教員による講義

関心ワード
  • 食品、
  • 海産物、
  • 魚・魚類、
  • 野菜、
  • 発酵、
  • 発酵食品、
  • 調理、
  • におい・香り、
  • 食物、
  • 数値化、
  • 評価、
  • 食品加工、
  • 加工

食物の「におい」をコントロールできれば、「食」の多様性が広がる

「におい」が食物の味わいを変化させる

 「おいしさ」と「におい」には、密接な関わりがあります。食べ慣れている料理に香りづけのスパイスを加えただけで、いつもよりおいしく感じた経験はありませんか。また、周囲に「青臭いにおいが苦手」などの理由で、野菜嫌いな人はいませんか。
 人工香料などを用いずに、食物自体が持つさまざまなにおいを抑えたり、際立たせたりできれば、好き嫌いのある人でもおいしく食べられる食品が生まれるかもしれません。そのため食物のおいしさを「におい」の面から評価する研究が、食品加工学の一分野として進められています。

においを「数値化」して評価

 「におい」の感じ方は、人によってさまざまです。例えば同じ海産物のにおいでも、子どもの頃から魚や海藻をたくさん食べてきた人と、そうでない人とでは、感じ方が正反対になることが多いようです。
 そこで現在、においを数値化して客観的に評価するため、異なる年齢層の人たちによる「官能評価」、食品からの揮発成分を分析する「ガスクロマトグラフィー」、複数種のにおいをあらかじめ「基準臭」として設定し、その量でにおいを評価する「におい識別装置」などが用いられています。

特定のにおいを抑えながらおいしくする加工法

 生野菜は苦手だけど熱を加えて調理すれば大丈夫という人も多いでしょう。野菜や果物の青臭さは、熱を加えることで減らすことができますが、加熱しすぎると食品本来の味わいまで損なわれてしまいます。そのため、どれくらいの熱をどの程度加えるか、加熱する際に丸ごとか、薄くスライスするかなど、試行錯誤が必要になります。味噌、醤油など発酵食品は、発酵のプロセスを調整することでにおいを変えることができますが、これもあらゆる組み合わせを試さなければなりません。
 こうした調整は簡単ではありませんが、嫌いなものでもおいしく食べられる加工法・調理法を開発することで「食」の多様性が広がり、農・水産業の新たな可能性も生まれるのです。

※夢ナビ講義はそれぞれの先生の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

この学問が向いているかも 食品加工学


健康栄養学部 食品開発科学科 准教授
矢野原 泰士 先生

メッセージ

 あなたは、おいしいものを食べるのは好きですか。自分自身のアイデアで、周囲のみんなが「おいしい!」と言ってくれるような食品を作ってみたいと思いませんか。
 「食品加工学」は、食品の味わいに関連するさまざまな要素を、科学的なアプローチで研究する学問です。あなたがこの分野に興味があるなら、いろいろなものを食べて食に対する自分の意見や知識を増やしつつ、さらに化学の勉強も頑張っておくと有利です。また、自分が好きだと思う食材の魅力を、さらに際立たせるための研究なども面白いはずです。

先生の学問へのきっかけ

 海に近い町で生まれ育った私は、子どもの頃から魚介類をたくさん食べ、特にエビやカニが大好きでした。ところが、兄弟は独特の生臭さが苦手で食べられませんでした。それがきっかけで、おいしい・まずいという感覚と「におい」との関連に興味を持ち始めました。生物の授業が好きで、大学は水産食品学科に進学し、大学院では研究の範囲をさらに広げ、本格的に「においをコントロールする」技術について研究しました。食品のにおいを研究している大学はまだまだ少数です。その分、いろいろなことに挑戦できるし、新発見の可能性も大きいです。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

食品会社(製造・研究開発・マーケティング)/中学校・高等学校教員

TOPへもどる

夢ナビロゴ

夢ナビ編集部copyright(c) 2008- Frompage Co.,Ltd. All Rights Reserved.