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岡山大学の教員によるミニ講義

関心ワード
  • 数学、
  • 代数学、
  • 多項式、
  • 整数、
  • 素数、
  • 素因数分解

「受験のため」の部分的知識ではない大学の数学は面白い!

大学の数学は、高校数学の進む先にある

 大学で学ぶ数学のひとつに代数学があります。この基礎は高校で学ぶ数学の中にもあります。整数と多項式は、中学校から馴染みのある対象です。高校までは、これら個別の性質について学びますが、大学では少し違った視点から学びます。個々の性質にとらわれず、これら全体の集合が持つ性質を調べる視点に立つことで、対象は異なっても似た性質があることがわかり、背後に広がる数学が見えてきます。

豊かなイメージを持つ代数学

 「1より大きい任意の整数Nは有限個の素数の積に一意的に表せる」という定理があります。例えばNが30のとき、合成数30は、2、3、5という素数の積に分解し、その分解の仕方はこれ以外にないというものです。この「素因数分解」の基礎には「割り算原理」があります。高校で学ぶように、1変数多項式でも「割り算原理」が成り立ちます。この点に着目して「次数が1以上の多項式は有限個の既約多項式の積に一意的に表せる」という類似の定理が、素因数分解の場合と全く並行に証明できます。
 整数全体や多項式全体は足し算・引き算・掛け算が可能な集合で、可換環(かかんかん)と呼ばれる代数系の典型例です。この代数系の視点から眺めると、割り算原理が成り立つ環では一意分解定理が成り立つことが理解でき、整数や1変数多項式以外にも同様の性質を持つ対象の存在が明らかになります。
 多変数多項式に対する1変数多項式の場合と類似の性質を持つ概念として「多変数多項式の割り算」や「グレブナー基底」があります。これらは、数学におけるいろいろな計算を可能にするばかりでなく、統計学などを含めたいろいろな分野への広い応用の道を開きます。

大学での数学で、数学の別の面が見える

 高校までの数学は、現在もなお発展を続ける数学の一部分であって、その先には広く豊かな世界が広がっています。大学では、数学の全く別の側面も見えてきて、数学の理解がさらに深まります。

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この学問が向いているかも 代数学、数学


環境理工学部 環境数理学科 准教授
早坂 太

メッセージ

 少しでも興味を持ったこと、勉強したいことがあれば、可能な手段を選んで打ち込んでみることが大事です。いろいろな本を読んだり、いろいろな人の話を聞いたり、いろいろな場所に行ってみることも、よい経験となるでしょう。高校3年間は、自分のやりたいことや、気になることを、じっくり自由に考えることができる貴重な時間です。受験勉強も大事ですが、合間に少しでも余裕を見つけて、いろいろ試してみてください。卒業後にどう生きていきたいか、立ち止まって考える時間も大切です。

先生の学問へのきっかけ

 中学・高校では野球部での活動に打ち込み、特に数学が得意ということもなく、あまり学校の勉強にも熱心とは言えない生徒でした。そんな高校時代のあるとき、ある数学者のある文章に触れ、数学者という存在を認識し、その生き方や考え方に憧れました。数学者と呼ばれる人たちが活動する場所に行ってみたい、この思いが数学の道に進んだきっかけのひとつにあったと思います。先生や友人・同僚に恵まれ、今も大学で数学を教えながら、自分もいつか良い仕事を成し遂げられればと考えています。

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