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桃山学院大学の教員によるミニ講義

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  • 文化、
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教養としての「ゲーム」~日本文化の変容~

大正時代、教養は一部のエリートのものだった

 「あの人は教養があるね」と言いますが、教養って何でしょうか? 知識とはどう違うのでしょう? 教養を端的に言い表せないのは、教養という言葉が示す中身が時代と共に変化を遂げてきたからです。大正時代には、文学者や哲学者など知識層の間で、自らの内面的な成長をめざすために「教養」を重視する思想が広まりました。当時は彼らのような国家的エリートだけのものだった教養は、近代学校制度の普及で大衆にも近づいてきました。

メディアの多様化で、新たな文化が誕生

 戦後は欧米の大衆文化がダイレクトに流入し、教養の内容はさらに変化しました。例えば、これまで教養の象徴であった純文学にも、村上春樹や村上龍など新感覚の作品が出てきました。クラシックを現代風にリミックスした音楽も登場しています。大正時代にはお堅く高尚だった「教養」が、大量消費社会で娯楽性や大衆性を味方にしたのです。
 そしてメディアの多様化により、ゲームやアニメなどの新たな文化が誕生しました。1990年代後半に第一作が世に出た「ポケットモンスター」は、20年以上にわたって人気を博し、まれにみる成長を遂げたゲームカルチャーとなりました。

大人から子どもまで、誰もが語れる「共通の知」へ

 ポケモンはキャラクターの「収集」「育成」「対戦」「交換」という斬新な概念を取り入れ大ヒットしました。発売当時のターゲットだった小学生が20年間で成長し、大人向けに発売されたシリーズを引き続き楽しんでいます。VRと融合した「ポケモンGO」を子どもや孫と一緒に楽しむ中高年、高齢者もいます。長い歳月をかけて、ポケモンの大きな世界観をさまざまな世代が共有するようになりました。
 社会学的に見て、昭和のように全世代が知る大ヒット曲や国民的大スターがいなくなった現代で、世代を超えた「共通の知」となったポケモンは、誰もが語れる、論じられる、新時代の「教養」と呼べるものへと発展しつつあるのです。

教養としてのゲーム:日本文化の変容

この学問が向いているかも 社会学、メディア社会学


社会学部 社会学科 准教授
木島 由晶

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メッセージ

 世の中の出来事は一見バラバラに起きているようですが、一歩引いてみると、何かのつながりがあるのが見えてきます。「社会学」とは、そんな世の中の空気を読みとる学問です。
 昭和の女性アイドルはみんなソロだったのに、どうして今は大人数グループ化しているのか。それはファンそれぞれが大勢の中から自分の「推しメン」を見つけて、トップへと育てるのに参加できるからです。では、なぜそれが支持されるのかを分析するのが、社会学の視点です。見過ごしがちな現象に、なぜ?と問いかけるエキサイティングな学びを一緒に楽しみましょう。

先生の学問へのきっかけ

 社会学の切り口で、アイドルやゲーム、音楽などの大衆文化を追い続ける研究をしています。
 大学は経済学部に入学しましたが、自分の興味と合わないと気づき、面白いと聞いた同じ大学の社会学の講義を受けてみました。その講義は男性アイドルグループを組織の変化と対応させて論じたもので、「こんな学問があったのか!」と衝撃を受け、3年生のときに社会学部へ転学部をしました。さらに大学院に進んで学びを深めました。
 発想の柔軟さとユニークな着眼点で社会のいろいろな現象を分析するのが、社会学の醍醐味だと思っています。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

TV局/出版社/ゲーム会社/おもちゃ会社/プログラマー/デザイナー/ライター/エンターテインメント業界/広告業界

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