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講義No.09783

新薬開発に、AIが革命を起こす!

AIを駆使して新薬開発に新たな手法を

 新薬を開発・製品化(創薬)するには、一般に10年以上の期間と、数千億円規模の費用が必要です。この開発過程を大幅に簡略化したり、すでにある薬で別の病気を治せれば、新薬をもっと安価に開発したり、治療困難だった病気に対して、新たな薬物療法を施せるようになるでしょう。そこで現在、医療ビッグデータをAI(人工知能)で解析し、創薬の手順を効率化したり、別の病気への適用可能性を予測したりする研究が進んでいます。

精神疾患の薬ががん治療に使えるかも

 多くの病気は、特定のタンパク質や、それを設計する遺伝子に異常が生じて発症します。そのため医薬品も、異常を起こしている特定のタンパク質に結合し、その異常な働きを抑えるように作られています。
 ところが、数千種類の病気と薬のデータをAIで解析すると、異なる病気なのにタンパク質の異常が似ているものがあること、薬が複数のタンパク質に結合してさまざまな効能を持つことが明らかになりました。その解析結果を基に、薬の互換性を予測したところ、糖尿病治療薬の一種がパーキンソン病の症状を抑えたり、精神疾患の薬の一種が直腸がんや前立腺がんの細胞増殖を抑えたりできる可能性が判明したのです。

「副作用」の分析から薬の可能性を模索

 薬には、副作用のリスクもあります。しかし、ある患者さんに対する副作用は、別の病気の患者さんにとっては効能になる場合があります。どの成分がどのタンパク質に作用して副作用が起きているのかを解析すれば、その薬を別の病気の治療に使えるようになるかもしれません。
 また、複数の薬を同時に飲むと毒性が出るリスクも高まります。そこで、複数の病気を併発している患者さんには、その複数の病気に効能のある薬を選んで1種類処方するなど、処方する薬の個数を少なくすることで医療費を抑えられるかもしれません。
 こうした研究は従来、偶然の発見や開発者のひらめきだけで行われていました。AIによる解析をさらに進歩させれば、医療の未来が大きく変化するでしょう。

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この学問が向いているかも 生命情報学

九州工業大学
情報工学部 生命化学情報工学科 教授
山西 芳裕 先生

先生の著書
メッセージ

 あなたは医学系の学問に興味はありますか。興味があっても「医学部や薬学部はハードルが高そう」「血を見るのは苦手」などの理由で、ためらっているかもしれません。
 生命情報学は、人の体や病気の症状を直接診断することはなく、コンピュータや数学を活用した分析手法により、医学・医療に関わる研究分野です。新薬の開発や病気の診断も、AI(人工知能)を活用して進められるようになりました。もしこの分野に関心があるなら、化学、生物、数学、プログラミングなど、幅広い知識を身につけるよう心がけてください。

先生の学問へのきっかけ

 私は、大学では数学を専門的に学び、もともと数学が得意でしたが、それを社会的にインパクトのある応用に生かせないかと考えていました。そして「卒業後は大学院に進み、もっと夢中になれるテーマについて研究したい」と考えていました。そんな矢先、耳に飛び込んできたのが、「ヒトゲノム解読」国際プロジェクトのニュースでした。「これだ」と思い、さっそく日本でゲノムの最先端の研究をしている大学の先生を探して研究室に入門し、ゲノムや遺伝子、タンパク質の異常と、病気との関わりについて、数学的な視点から研究を始めました。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

製薬会社研究員/医療機器システム開発/大学教員

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山西 芳裕 先生がいらっしゃる
九州工業大学に関心を持ったら

 7月20日(土)にポートメッセなごやで開催される大学研究&学問発見のための国公私立大 合同進学ガイダンス「夢ナビライブ2019名古屋会場」で、山西芳裕先生が【新薬開発と投薬最適化を行う人工知能】というタイトルの講義ライブを15:10から実施!全部で206名の大学教授が講義ライブを実施するほか、本学を含む145大学が個別ガイダンスを実施します。詳しくは
 https://yumenavi.nagoya(パソコン、スマホ、ケータイ共通)をご覧ください。

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