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講義No.09747

患者さんの理想的な生活をサポートする作業療法士

作業療法士の役割とは

 作業療法士とは、なんらかの原因で体に障がいを負った患者さんの行動をサポートする職業です。食事や着替えにトイレ、仕事や勉強、手芸などの趣味に至るまで、生活に必要な行動、生活を豊かにする行動すべてがサポートの対象となります。一言で表せば「患者さんの生活スタイルをコーディネートする役割」と言えるでしょう。
 寝返りや起き上がりなどの基本動作を支援する理学療法士と協力しながら、患者さんをサポートしていきます。片方の手が動けば、着替えやトイレなどの日常生活に必要な8割の行動ができます。最初はスムーズにできなくても、工夫を重ねることでうまくできるようになっていきます。そういった小さい成功体験を積み重ねることで、患者さんにも少しずつ自信が生まれてくるのです。

手すりやスロープを設置して環境面も整備する

 日本では今後ますます高齢者の割合が増えるため、作業療法士に求められる役割も増えていくでしょう。つえの必要な患者さんが、バリアフリーの進んでいない階段や段差の多い家で生活するような場合は、動作をサポートするだけでなく、段差をなくす改修工事をしたり、手すりをつけたり、スロープをつけたりと、環境面での支援も考える必要があります。また、普段の買い物はどうすればいいのか、買い物帰りの手が袋でふさがっている状態での転ばない歩き方の指導なども必要です。

一人ひとりに合わせた支援を提供

 作業療法士にとって、患者さんに対してどこまで手伝い、どこから一人でやってもらうのか、その見極めも重要です。また、作業療法によって自分だけで日常生活を行えるようになっても、退院後はすべてを家族にしてもらうのでは意味がありません。そうならないよう、患者さんの家族にはあらかじめ、自ら行うべき内容、家族が手伝うべき内容を伝えておきます。患者さんの年齢や職業、趣味や価値観、家庭と社会での役割などを考慮して、一人ひとりの個性に合わせた二人三脚の支援が必要なのです。

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この学問が向いているかも 作業療法学

帝京平成大学
健康医療スポーツ学部 作業療法学科 講師
藤田 のり子 先生

メッセージ

 まず、「人間」に興味を持ちましょう。この社会はいろいろな人がいて成り立っています。自分の考えに同意してくれる人もいれば、反対する人もいるでしょう。その人がどう考え、どう動いているのか、ぜひ人間に興味を持ってください。
 もう一つは、料理、洗濯、掃除、買い物など家の手伝いをしてください。生活で必要な経験はすべて、作業療法における「作業」となります。おみそ汁の作り方を知っているだけの人と、作ったことがある人の間には大きな差があります。実際にやってみることが大事なのです。

先生の学問へのきっかけ

 小さい頃から手芸に親しんできました。医療職に漠然とした憧れを持っていた高校時代に作業療法士という職業を知り、得意な手芸で患者さんの社会参加を支援したいと考え、進路を決めました。しかし学校で、理学療法士と作業療法士の実習内容が同じようであることに疑問を抱きます。当時はまだ身体の基本動作を支援する理学療法士と、日常生活や趣味で必要な動作を支援する作業療法士との明確な区別がなかったのです。基本動作と日常動作では身体の動かし方も違うので、理学療法と作業療法、それぞれの視点で患者さんを診ることが必要です。

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藤田 のり子 先生がいらっしゃる
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