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講義No.09746

重力が持つ性質は謎ばかり?

世界には重力を含めた4つの力が存在する

 「重力」は身近に存在する力ですが、実はこの重力については現代の素粒子物理学でもよくわかっていないことが数多くあります。
 世の中には重力を含めて4つの力が存在します。まず、「電磁気力」は文字通り電気や磁気に関係する力で、日常にある重力以外の力はこの電磁気力と言えます。そして、「強い力」と「弱い力」です。これらは核力とも言われます。前者は原子核を作るための力で、陽子、中性子から構成されている原子核がバラバラにならないよう束ねている力のことです。後者は、原子核の変化を引き起こす力の1つです。太陽や原子炉のエネルギーは、原子核が変化するときに発生するエネルギーがもとになっています。最後に「重力」ですが、ほかの力と比べて大きく異なる性質を持っています。

重さの異なる物体が同時に落下することの不思議

 ピサの斜塔でガリレオが行ったと言われる有名な実験では、重さの異なる2つの玉でも同じ時間をかけて落ちるという結果になりました。空気抵抗を考えなければ、重力のもとでは質量の異なる物体も同じように落下するということは、学校で習ったかもしれません。質量とは「動きにくさ」を表す値であるので、電磁気力においては質量が大きいものの方が動きにくくなります。それにもかかわらず、重力下では、質量の異なる物体でも同じように落下するという結果になるのです。

素粒子物理学でも解明できない重力

 物体の動きにくさを表す質量を「慣性質量」、重力にどれくらい引っ張られるのかを表す質量を「重力質量」と言います。両者はまったく異なる概念なのですが、なぜか等しいものとして現れます。この性質を「等価原理」と呼び、そこからアインシュタインの「一般相対性理論」が生まれました。
 しかし、現代の素粒子物理学ではこの重力をうまく表現することができません。誰もが当たり前に感じている重力ですが、まだまだ最新の物理学をもってしても、実はわからないことだらけなのです。

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この学問が向いているかも 物理学

東京大学
理学部 物理学科 助教
神谷 好郎 先生

メッセージ

 将来の目標を見つけてそれに集中することも大切ですが、ときには広く構え、現状を俯瞰(ふかん)することも大事です。高校時代に自分の好きなことをたくさん見つけてほしいと思います。そして、大学では教養課程を大切にしてください。学びたいものが物理だとしても、文学や芸術などの広い世界にふれて豊かな経験を積みましょう。

先生の学問へのきっかけ

 最先端の素粒子物理学を研究していますが、意外にも昔は生物や化学などの理系科目が苦手でした。漢字や歴史も苦手だったのですが、生物や化学などの授業も複雑で私には大変でした。素粒子についての研究を本格的に究めたいと考えたのは、大学院に進学するときでした。思いっきりエッジの効いた分野の研究をしたいと思い、素粒子物理学の門を叩いたのです。「クォーク」や「ヒッグス粒子」などは、一度は聞いたことがあるでしょう。現在は最先端の物理学の視点で見ると非常に不思議な力である、重力について研究しています。

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神谷 好郎 先生がいらっしゃる
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 東京大学は、学界の代表的権威を集めた教授陣、多彩をきわめる学部・学科等組織、充実した諸施設、世界的業績などを誇っています。10学部、15の大学院研究科等、11の附置研究所、10の全学センター等で構成されています。「自ら原理に立ち戻って考える力」、「忍耐強く考え続ける力」、「自ら新しい発想を生み出す力」の3つの基礎力を鍛え、「知のプロフェッショナル」が育つ場でありたいと決意しています。

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