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講義No.09709

「囚人のジレンマ」とは? ~ゲーム理論の考え方~

黙秘したい囚人vs自白させたい警察

 警察は、ある犯罪の容疑で逮捕した2人の囚人を別々の部屋に隔離して取り調べをしています。しかし、有力な証拠がないため、立証するには少なくとも1人の囚人の自白が必要です。なんとしても自白させたい警察は、2人の囚人に次のような司法取引を持ちかけます。
 ・2人とも自白した場合は、それぞれ懲役5年。
 ・2人とも黙秘した場合は、別件の軽犯罪の刑罰のみ科せられ、それぞれ懲役1年。
 ・1人が自白、もう1人が黙秘した場合、自白した囚人は見返りとして釈放。黙秘した囚人は懲役10年。

自白することが合理的

 2人の囚人はできる限り自分の刑期を短くしたいと考えていますが、相手が自白するか黙秘するかわからない状態で意思決定しなければなりません。この状況下で2人がそれぞれ思考を巡らせた結果、2人とも同じ結論にたどり着きます。それは、自白です。
 考え方は単純です。仮に相手が自白するとしたら、自分は黙秘すれば懲役10年ですが、自白すれば懲役5年で済むため、自白する方が得です。また、仮に相手が黙秘するとしたら、自分は自白すれば釈放されるため、明らかに自白する方が得になります。すなわち、相手がどう出るかにかかわらず「自白する」ことが合理的な判断なのです。

社会に潜む「囚人のジレンマ」

 ここでのポイントは、2人がともに黙秘すれば懲役1年で済むのに、自らの利益のために行動した結果、2人とも懲役5年というよくない状況に陥ってしまうことです。この話は「ゲーム理論」という学問分野で「囚人のジレンマ」と呼ばれ、個人の利益の追求が社会全体の利益につながらず、よくない状況に陥ってしまうことを示す例として知られています。
 現実社会でも囚人のジレンマ的な状況が散見されます。環境問題、軍拡競争、スポーツのドーピング問題などがその例です。一方で、課徴金減免制度のように、囚人のジレンマの性質をうまく利用して企業の談合を発見する仕組みも存在します。

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この学問が向いているかも ミクロ経済学

明治学院大学
経済学部 経済学科 准教授
齋藤 弘樹 先生

メッセージ

 明治学院大学の経済学科では、あなたの興味・関心に応じて3つのコースから1つを選択し、将来のキャリアに直結する科目を受講するコース制を採用しています。また、経済学科の先端的な取り組みとして、実験経済学と呼ばれる分野の教育を行っています。実験経済学とは、経済学の理論の妥当性を実験によって検証していくもので、授業では、最新の設備が整った経済実験室で、実際に実験をしながら学ぶことができます。
 経済に関心があるなら、また実験に興味がある理系タイプなら、本学経済学科で一緒に学びましょう。

先生の学問へのきっかけ

 高校の頃、文系クラスでしたが、得意とまでは言えないものの数学が好きでした。進路を決める際に、経済学では数学を使うと知り興味がわいたものの、経済学を詳しく知らないまま経済学部に進学します。経済のさまざまな分野を学ぶ過程でミクロ経済学を学び始めると、「あ、これだ!」と思いました。数式を使って社会のさまざまな現象を表現するというところが面白く、のめり込んでいきます。企業に就職することは考えず、「もっと研究してみたい」という気持ちで研究を続けてきました。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

金融機関/商社/不動産会社/地方公務員など

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齋藤 弘樹 先生がいらっしゃる
明治学院大学に関心を持ったら

 150年以上もの歴史を持つ明治学院大学。本学の起源は、1863年にアメリカ人宣教医師ヘボン博士が開設した英学塾から始まります。無償で診察を行いながら、英和・和英辞典を編纂し、ヘボン式ローマ字でも有名なヘボン博士。その信念「Do for Others」を教育理念とし、本学ではグローバル社会に対応できる学術知識と教養を培い、他者とともに道を切り開ける人材を育成しています。

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