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講義No.09700

五感から消費者行動を考える「感覚マーケティング」

コーヒーの香りでドーナツが売れる?

 ある路線バスの車内で、ドーナツ店の音声CMを流していました。ある時、そのCMを流す際に、あわせてコーヒーの香りが漂うようにしてみました。すると、路線沿いにあるドーナツ店の売り上げが上がったのです。これは、コーヒーの香りによってドーナツへの購買意欲が喚起されたのだと考えられますが、ドーナツを買った本人にしてみると、なぜ買ったのかをうまく説明できない現象です。こうした現象について、マーケティングの見地からの研究が盛んに行われています。

感覚が人の買い物を左右する

 消費者行動を考えるマーケティングの世界では、これまで、消費者が商品をどのように判断して選択しているのかという、消費者の「思考」を明らかにする学問、という側面がありました。しかし、人間はコンピュータと違って、いつでも合理的な思考に基づいて判断し行動するわけではありません。「なんとなくこっちがいい」という直感で決めていることが意外に多くあります。そうした「なんとなく」の正体を探ろうという「感覚マーケティング」が、今、注目を集めています。

感覚マーケティングの最前線

 特に注目されているのは、聴覚と味覚、嗅覚と触覚など、複数の感覚どうしの関係についてです。例えば、実際には同じ水を飲んでいるにもかかわらず、硬いプラスチック・コップで飲んだ人は、軟らかいプラスチック・コップで飲んだ人に比べて、水の味を高く評価したという実験結果があります。手堅い、堅実といった表現があるように、「硬さ」という触覚が信頼性や安定性の高さを連想させ、結果的に水の味覚評価に影響を及ぼしたわけです。このように、ある感覚が別の感覚に影響を与え、結果的に商品の評価に影響を与えることがわかっています。
 また、人間は軽いものより重いものの方を価値が高いと感じる傾向があります。こうした傾向には個人差がありますが、商品を触ってみるなど、触覚による情報を重視する人の方が、重さの効果が出やすいことがわかっています。

夢ナビライブ2019 東京会場

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売れる仕組み作り

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どっちが長い?

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香りと記憶

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この学問が向いているかも 経営学、商学

千葉商科大学
商経学部 商学科 准教授
外川 拓 先生

先生の著書
メッセージ

 あなたが、大学でどういう勉強をしていきたいか、まだ決まっていないなら、まずはいろいろな可能性や選択肢を残しておいた方がよいと思います。でも、迷う中でいざ決めなければならないときには、「これ」と決めて、その中でどう頑張るかを考えるのもひとつのやり方です。
 マーケティングというのは、私たちが日常的に行っている買い物が、ちょっとしたきっかけでどのように変わるのかを、科学的に解明していく学問です。あなたも、普段何気なく行っている買い物について、楽しく学問してみませんか?

先生の学問へのきっかけ

 あなたは、「同じコーラでも、缶で飲むよりビンで飲んだときの方がおいしく感じる」といった経験はありませんか? 私は日常のちょっとした「違い」に目を向け、研究者になりました。この「ちょっとした違い」が、商品選びやその良し悪(あ)しの判断を大きく左右しているのです。こうした点に面白さを感じ、マーケティング論や消費者行動論を研究しようと決めました。家での食事や、買い物や旅行に行ったとき、すべてが気づきの宝庫です。こうした身近な気づきを、実験などでまじめに検証していくところに魅力を感じています。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

保険会社マーケティング/広告会社営業/製鉄会社営業/自動車ディーラー販売/鉄道会社企画・営業など

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外川 拓 先生がいらっしゃる
千葉商科大学に関心を持ったら

 千葉商科大学というと「商科」のイメージが先行しがちですが、実は「商科」だけの大学ではありません。政策情報学部では文系理系を越えてITエンジニアやテレビ番組制作者が誕生し、サービス創造学部では観光・交通・スポーツ・エンターテイメント・メディア・ファッション・デザイン・健康サポート・小売流通・飲食・資産運用・ファミリーサポート・経営サポートなどの企業と連携して新サービス創造専門家を育成しています。もちろん、商経学部では伝統の強みを生かした簿記教育も充実しています。

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