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講義No.09691

「暗号」が情報社会を守っている

日常生活は暗号だらけ!

 暗号と聞くとスパイ映画に出るような特殊なものを思い浮かべるかもしれませんが、実は日常生活には暗号があふれています。例えばスマートフォンやコンピュータでSNSやゲームをするときや、駅の改札口で交通系ICカードをかざすときに行われている通信は、暗号化されています。今後、さまざまなものがインターネットにつながるIoTが広がれば、さらに暗号が必要な通信は増えていきます。
 誰かにものを渡す場合、人と人とが直接会うなら、顔を確認して必ず意図した相手に届けることができます。しかし通信の場合は、相手がすり替わっていたり、データが改ざんされたりしてもわからないことがあります。目的のサイトを見ているつもりでも、ひそかに違うページに誘導されているかもしれません。こういったことを防止する手段としても暗号は有効です。

「暗号方式の安全性」

 情報伝達に使われる暗号は、平文(もとの普通の文章)と鍵を暗号方式に入力して、他人が読んでも理解ができない暗号文に変換するものです。コンピュータによる通信データは、平文にあたる文章や画像、動画などは、すべてデジタルの0と1の数列で表されます。鍵は暗号化処理の仕方(関数)を決定し、この数列を違う並びに変換することで暗号文に変換します。そのため、鍵の選び方と関数の性質が情報の安全性を左右します。

量子コンピュータの脅威

 攻撃者は暗号文の0と1が出現する偏りなどをヒントに、鍵を未知数とした確率的に成立する連立方程式を導きます。これを解くためにヒントをたくさん集めて徐々に確率を上げて鍵を特定します。しかし、これはスーパーコンピュータをもってしても、相当の時間がかかります。それこそが暗号の安全性の要なのですが、実用化が進んできた量子コンピュータは計算能力が爆発的に上がり、過去に安全だった暗号方式も解読されるようになると予想されています。そのため量子コンピュータでも解けない安全な暗号方式を作ることが要求され、すでにアメリカや日本の行政ではその選定が始まっています。

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この学問が向いているかも 情報工学

防衛大学校
電気情報学群 情報工学科 准教授
田中 秀磨 先生

メッセージ

 数学を勉強していると、何に使えるのか疑問に思うことがあるかもしれません。しかし大切なことは、何に使えるのかではなく、それを使って何をするかです。理論を使って、次の違うことにどう生かせるかという視点を持つことが大切です。知識と知識とが線でつながっていき、一つひとつがさらに豊かになっていくと、線は太くなり、最後には面で対処できるようになります。
 暗号の分野も面のような幅広い知識が必要です。防衛大学校で私と一緒に、情報社会の安全を守る暗号を勉強しましょう。

先生の学問へのきっかけ

 私は電気工学を専攻していた大学時代に乱数列と出合いました。当時、自分のパソコンではできない大きい計算をやってみようと、大学中の実習用コンピュータを全部使って怒られたりもしました。4年生のときに考えついた、乱数の法則を明らかにするアイデアを指導教官が褒めてくれたことが励みになり、現在は乱数を応用したサイバーセキュリティ技術の開発や暗号解読の研究を続けています。私にとって技術開発のアイデア模索や暗号解読は、ゲームをしているのと同じ感覚で楽しみながら研究を進めています。

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田中 秀磨 先生がいらっしゃる
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