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講義No.09689

国を守るだけでは国民を守れない時代~「人間の安全保障」を考える~

国家が国民の安全や生命を脅かす?

 これまで「安全保障」とは、主に「国家」を国外からの攻撃や侵略から守ることとされてきました。「国家」を守ることで、同時に「国民」の安全も守られます。しかし、20世紀に入ると、「国家」を守るだけでは「国民」を守れないケースが出てきました。ヒトラーが率いるナチス政権下でのユダヤ人、ポルポト政権下のカンボジア人、アサド政権に抗議した地域に住むシリア人など、「国家」そのものが「国民」の安全を脅かすケースが各地で見られるようになったのです。

人間にフォーカスした安全保障

 そこで新たに生まれたのが、「国家」ではなく「人間」に焦点を置いた「人間の安全保障」という考え方です。文字通り「人間」の命や尊厳を重視して、恐怖や欠乏などのさまざまな脅威から人々をいかにして守るのかが研究されています。地震、津波、水不足、不作、飢餓、感染症などの自然による脅威から、戦争、拷問、経済危機、インフラ破壊などの人間による脅威まで、あらゆる脅威を防ぐ手段を考えます。多くの場合、これらの脅威は単独ではなく複数が同時に、あるいは相互に影響しあい、問題を複雑化させています。

世界を視野に考える「人間の安全保障」

 シリアの紛争では、武器による脅威とは違う要因でも現地の人々の暮らしが継続不能になりました。子どもが学校に行けなくなる、経済活動が停滞する、生活に必要な物資が届かなくなる、栄養失調で重い病気にかかるなど、それまでの通常の生活が送れなくなったのです。
 これは、日本も例外ではありません。2011年に発生した東日本大震災では、地震や津波という自然災害だけでなく、原発事故のような人災も加わり、多くの人々のそれまでの暮らしが崩壊しました。このように、個人や地域コミュニティの力を超える脅威と直面している人々は世界中に存在します。人間の生命や尊厳を奪うさまざまな脅威から「人間」をどう守るかについて考える、それが、「人間の安全保障」なのです。

夢ナビライブ2019 東京会場

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1980年代のルーマニア

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ルーマニア革命前後での変化

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人間の安全保障を脅かす政治の事例

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この学問が向いているかも 政治学

麗澤大学
国際学部 ※2020年4月設置構想中  准教授
ヨネスク マグダレーナ 先生

メッセージ

 高校生という時期は将来について思い悩むことも多いでしょう。そんな時は、興味と関心の赴くままに、いろいろなものをかじってみてください。自分がおもしろいと思ったものは積極的にフタを開けて、多くの経験をしてください。自分好みのケーキでも、口にしてみなければわからないのと同じで、なんでも口に入れて自分に合うか合わないかを見極めてください。
 その経験は道具箱のように自分の中に蓄積されて、将来必ず役に立つでしょう。そういったたくさんの経験の中から、自分だけのオリジナルが生まれるのです。

先生の学問へのきっかけ

 ルーマニアに生まれ、小学生のときにルーマニア革命を経験しました。それまでは独裁国家で、国民は自由な発言もできず選挙もありませんでしたが、一夜にして大きく変わったのです。共産主義時代は食べ物も配給制でしたが、失業問題はありませんでした。しかし、民主化により企業の自由競争が生まれると、街には失業者があふれ貧困が大きな問題となります。革命により民主化しても社会が不安定なことに疑問を感じました。日本に留学し、ポルポト政権下からカナダに亡命した経験を持つカンボジア人の恩師と出会い、大きな影響を受けました。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

JICA職員(青年海外協力隊)/国際機関の職員/国家公務員(外交官など)/大学院への進学

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ヨネスク マグダレーナ 先生がいらっしゃる
麗澤大学に関心を持ったら

 「小規模にこだわる。国際性にこだわる。麗澤大学」
 THE世界大学ランキング日本版2019※の国際性分野で全国6位(千葉県第1位)を獲得。留学生数は364名(8人に1人が留学生)で、留学制度も充実。特に外国語学部では約3人に1人(2019年実績)が留学を経験。
 また2020年4月に「国際学部」が新設。新たな学びのスタイルを探求し、学生の主体性、適応力を育て、タフなマインドをもつ卒業生を輩出します。
 ※英高等教育専門週刊誌「タイムズ・ハイアー・エデュケーション(THE)」より

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