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講義No.09671

臨床検査の国際標準化について技術者が身につけておくべき知識

臨床検査データは病院によって違う

 臨床検査で得られるデータは、診断や治療の根拠となる重要なものです。これらのデータは、検査条件が同じであればどの医療機関で検査しても同じ結果が得られるかというと、必ずしもそうではありません。検査方法や得られたデータに対する判断基準が病院によって異なるからです。このような状況だと、ある病院で得られた検査データを別の病院でそのまま利用することはできません。また、ある試薬の効果を確かめる場合に、病院からのデータだけでは客観的な判断ができません。

臨床検査の国際標準化が遅れている日本

 そこで、どの医療機関でも、またどの国のデータでも相互利用できるように、検査データの「標準化」という作業が行われています。これを行っているのは、国際標準化機構(ISO)です。この中の臨床検査室に関する技術委員会(TS212)でさまざまな臨床検査に関する国際規格を作成しています。日本もISOに加盟していますが、臨床検査の国際標準化は遅れていましたが、2017年に医療法が改正され、やっと国内の統一基準が定められました。
 これによって、検査データの品質保証の仕組みができましたが、この基準は国際規格と100%同じではありません。国際間で品質が保証されるためには、第3者機関によって国際規格に従っているという認定を受ける必要があります。残念ながら、日本で認定を受けている医療機関はわずかです。

国際化が進む臨床検査

 ただ、「標準化」は年々進化しており、対象領域も広がっています。しかも、たとえば国内で行われている検査試薬の製造技術が国際規格になれば、ほかの国もそれに従わなければならないので業界をリードできます。標準化は経済的なメリットをもたらすのです。
 臨床検査がグローバル化する中で、国際規格を理解してそれを医療に役立てることはとても重要で、対応する医療機関も今後増えていきます。これから臨床検査技師や臨床工学技士をめざす人は、臨床検査の国際化に対する理解を深めていく必要があるのです。

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この学問が向いているかも 医療技術学、臨床化学

新潟医療福祉大学
医療技術学部 臨床技術学科 教授
久保野 勝男 先生

メッセージ

 新潟医療福祉大学では、臨床検査技師と臨床工学技士の2つのライセンスが取得可能なカリキュラムを備えています。昨今の医療、特に医療技術に関する分野は日進月歩で、進歩に即対応できるような技術者の育成が求められています。特に医療がグローバル化する中で、国際標準という時代の流れを反映した教育を行い、これをしっかり身につけた技術者を育成することに主眼を置いています。
 将来は、国内はもとより国際的に活躍することも可能です。あなたもぜひ、本学で私たちと一緒に学びましょう。

先生の学問へのきっかけ

 私は臨床化学という分野で臨床検査の実務を30年以上行ってきました。臨床検査の技術は急速に進歩し、私も企業などと共同研究を行うなかで、新しい知識を身につけていきました。
 その頃、海外ではすでに臨床検査の技術や手順が標準化されていました。日本でも2000年頃に、ISO/TC212という臨床検査に関する技術委員会の国内委員会が発足し、その後、国内標準化の体制を作るために臨床検査室の認定制度を立ち上げました。私もそれに参加して、日本の臨床検査の標準化に尽力してきました。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

大学病院/その他医療機関/衛生検査所/健診機関/製薬企業研究員/診断薬企業研究員など

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久保野 勝男 先生がいらっしゃる
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 6学部13学科すべての学科で国家資格をはじめとした専門資格の取得に対応したカリキュラムを配置しています。また、看護・医療・リハビリ・栄養・スポーツ・福祉の総合大学である利点を生かし、他学科の学生がチームを形成して学ぶ「連携教育」を導入し、関連職種への理解やコミュニケーション技法を身につけることで実践的な「チーム医療」を学びます。さらに、【スポーツ×リハビリ】【看護×福祉】など、学科コラボによる学びで、幅広い知識を修得します。

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