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講義No.09648

「怒り」「棒読み」「愛情たっぷり」、脳が最も反応する呼びかけ方は?

脳は正直者

 人間の脳波は意識的にコントロールすることが難しく、やや大げさに言うなら「うそをつけない」ようにできています。
 例えばこんな実験があります。まず、男性被験者に視覚的な課題としてゲームに集中してもらいます。その間、いろいろな人名を呼びかける女性の声をスピーカーで聞かせます。あらかじめ、被験者にはその呼びかけを無視するよう指示しておきます。その上で、被験者の脳波を計測します。実験の結果、被験者が呼びかけに無反応に振る舞っていても、自分の名前が呼ばれたときには脳波に反応が表れていることがわかりました。つまり、自分の名前を呼ばれると、意思とは無関係に脳が勝手に返事をしていたのです。

脳が強く反応する口調は?

 この実験では、呼びかけの口調(感情)を変化させた場合の脳波の違いも調べられました。口調の種類は、「怒り」「棒読み」「愛情たっぷり」の3パターンです。その結果、他人の名前が呼ばれたときには特に違いは見られなかったのですが、自分の名前が呼ばれたときには口調によって差が表れました。脳波が最も大きな反応を示したのは、愛情たっぷりに呼びかけられたときです。ちなみに、2番目は怒り、3番目は棒読みでした。

医療への応用

 このように、実験によって心の仕組みや特性を明らかにしていく学問分野を「実験心理学」と言います。また、脳波などの生理学的な指標を使って心と体の関係を調べる学問分野のことを「生理心理学」と言います。
 脳波が自分の名前の呼びかけに反応するという実験結果は、医療現場での応用が期待されています。この研究がさらに進めば、例えば、病気で全身が動かせず、呼びかけても行動レベルでは反応できない患者さんに対して、意識があるのかどうか、あるとすれば、どの程度の心の働きが残っているのかを評価するものさしとして使える可能性があります。そしてそのためには、どういった呼びかけ方が脳からの反応を引き出す上でより適切なのかを、今後さらに追究していく必要があるでしょう。

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この学問が向いているかも 心理学

大正大学
心理社会学部 人間科学科 准教授
荒生 弘史 先生

メッセージ

 心理学にはいろいろな分野があるので、心理学に興味を持っているのであれば、高校生のうちに、大学でどのような心理学を学びたいかまで視野に入れて考えてみてください。同じ心理学部でも、所属する教員の専門分野や調査・実験用の設備は、大学ごとに大きく異なります。あなたの関心や学びたい内容との適合性も考慮して大学を選ぶことをお勧めします。オープンキャンパスは、直接教員と話したり、大学や学科の設備をみたりすることができる絶好の機会です。大正大学のオープンキャンパスにもぜひ来てください。

先生の学問へのきっかけ

 私は現在、脳波などを利用した心理学の実験・研究を専門にしています。とはいえ、高校生の頃は心理学に特別興味があったわけではなく、バンドでギターを担当するなど音楽好きの少年でした。そのため、大学では音響関係の学科に進学するのですが、そこで音に関係する心理学の教授と出会い、心理学に興味を持ち始めます。そして本格的に心理学を学びたいと考えて大学院に進学し、次第に脳波を使った実験に魅力を感じるようになりました。心理学の実験では大変なこともありますが、楽しみながら研究を続けられたことが今につながっています。

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荒生 弘史 先生がいらっしゃる
大正大学に関心を持ったら

 ローライズのパンツだって、茶髪だって、人付き合いが下手でも、自分に自信がなくても、それはそれでいいのです。あなたが、あなたらしく生きることができればいい。それが大正大学の願いです。もちろん、学校ですからこの4年間の間に、社会人として立派に巣立てるだけの知識や技術を身につけてもらいたいと考えています。また、そのためのきめ細かなカリキュラムも準備しています。都会の片隅に息づく瀟洒なキャンパスで、充実した学生生活を過ごすと同時に、人生の夢を実現するための基盤を築いてください。

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