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講義No.09646

微生物の99%が謎だらけ? ~未知の微生物を探ろう~

全体の1%未満しか解明されていない微生物

 腸内フローラという微生物の集団をテレビなどで見たことがあるでしょう。実は、体内で腸内フローラが活動している様子は、研究室ではまだ再現されていません。研究を深めるためには微生物が好む環境を再現し、研究室で培養することが必要になります。しかし微生物の生息環境には不明な点が多いため、培養は容易ではありません。ですから、2018年までに研究されてきた微生物は全体の1%にも満たず、まだ手をつけることができていないものがたくさんいるのです。

次世代社会の鍵を握る微生物!

 発酵という言葉を聞くことが多くなってきています。日本には、多くの発酵食品がありますが、微生物の営みの結果、もたらされるギフトです。この発酵のメカニズムは、多くのことが未だに解明されていません。自然界では多くの微生物が共存して生きており、そのコミュニケーションを知ることは大変難しいからです。
 脱石油時代が到来しています。これまでにバイオ産業で利用されている微生物は全体の1%未満であることから、医学、農学、工学、環境など多くの分野において、未だに解明されていない新たな微生物の力が、次世代社会の鍵を握っています。

微生物を1匹見つけるためにかかる費用は?

 一方で、バイオ産業に役立つ1匹の微生物を100万匹の中から見つけるとすると莫大な費用と期間がかかります。企業で研究すると数億円以上かかるといわれるほどです。これまでは、例えば「お酒をおいしくする酵母がほしい」などの目的ごとに微生物を探していました。しかしそれでは、発見できるのは目的とする機能を持った一部の微生物に偏ってしまい、探索がなかなか進まないという問題があります。目的を限定せずに誰でも微生物を見つけることができるよう、発見方法のブレークスルーが求められています。

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この学問が向いているかも 微生物学

長岡技術科学大学
工学部/工学研究科 技術科学イノベーション専攻 教授
小笠原 渉 先生

メッセージ

 大学に入ると「世の中にはわからないことがたくさんある」ということがわかります。これはどの分野でも同じことです。科学は進歩しているように見えますが、まだまだ発展途上にあります。微生物学の分野でも、研究することはたくさんあります。微生物は食や健康にも関係しているので、医学部や工学部、農学部など、学部を超えて研究をすることができます。
 研究を続けるためには「好き」という気持ちが大切です。あなたも好きなものについて研究し、これまで知らなかったことを知っていく喜びを味わってみませんか。

先生の学問へのきっかけ

 もともと生物に興味を持っていましたが、微生物の研究を始めたきっかけは大学4年生の頃、指導教授から「微生物を探してこい」と言われたことです。大学院生の時、歯周病の原因となる菌と関係が深い酵素を発見し、歯周病の原因菌の育成を抑えるには、酵素の働きを管理すればいいとわかりました。酵素の研究は歯周病の治療薬をつくる研究に発展し、JAXA・宇宙航空研究開発機構の協力で宇宙実験も試しました。今もその研究は続いています。研究以外にも、食関連のイベントなどで微生物についての知識を広める活動にも力を入れています。

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小笠原 渉 先生がいらっしゃる
長岡技術科学大学に関心を持ったら

 長岡技術科学大学は、大学院に重点を置き、実践的な技術の開発を主眼とした教育研究を行う工学系の大学として、新構想のもとに設置され、実践的・創造的な能力を備えた国際的に通用する指導的技術者・研究者の養成を行い、これらを通じて社会との連携を図ることを基本理念としています。
 大学はまた、勉学の場であると同時に人間形成の場でもあります。美しい豊かな自然に恵まれた環境と、国内はもとより世界の各地から集う学生たちが豊かな人間性を養い、創造性とチャレンジ精神を求め、友情を育む潤いのある大学生活の場があります。

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