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講義No.09641

住宅と家族関係の相互関係

「人と人との関係性」が住宅に表れる

 住宅の空間構成には、家族関係のあり方、ひいては社会的慣習が表れます。例えば、江戸時代の武士の住宅では、「家」としての格式を保つことや家長である主人の生活に重きが置かれており、家の大半の空間は客と主人のためにつくられていました。また、イスラム教国では、男女の居間を分けるなどの、性別によって空間を分離している住まいが多く見られます。古今東西のさまざまな住宅を観察すると、その時代・土地の人々の生活を読み取ることができます。

住宅が「人と人との関係性」をつくる

 昭和戦後期から平成にかけての日本の典型的な住宅モデルは、nLDKで表現される住まいです。これは、家族がともに過ごすためのリビング・ダイニングと、夫婦の寝室・子ども部屋で成り立っています。このような典型的な住宅に挑戦するかたちで、多くの建築家は新しい住まいの在り方を提案してきました。個室の壁をとりはらい、家全体がゆるくつながっているような住まいや、各個室に玄関的な出入り口があり、外から直接アクセスできるような住まいなどです。このような家は、単に斬新さを狙っているのではなく、そこには家族の関係性の在り方に対する提案があります。脱個室化した住宅では、個室の単位が強い家とはちがった子育てや親子関係が生まれることが期待できます。このように、住宅の在り方は、家族の関係性に影響を及ぼすのです。

これからの住まいはどうなるのか

 現在の日本では、すでに核家族モデルは崩壊しており、家族の在り方は多様化しています。東京では単身者世帯数が約半分を占めていますし、一人親世帯や子どものいない夫婦も珍しくありません。これに加え、少子化や長寿命化は人々の生活を大きく変えていくことが予想されます。さらには、外国人の増加や空き家率の増加も未来の住まいの在り方に影響を及ぼすでしょう。このような状況を踏まえて、未来の住まいはどうあるべきなのでしょうか? つくる人にも住む人にも、問いかけられた課題です。

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この学問が向いているかも 建築学、住宅デザイン学

明星大学
建築学部 建築学科 准教授
高橋 彰子 先生

メッセージ

 建築デザインは環境をつくる仕事です。建築がつくる環境は、小さな身体的空間から大きな都市的空間までさまざまです。環境が人に与える影響は、多くの人は無意識ですが、実は非常に大きいです。私たちの身体、精神、行動は、常に環境の影響を受けているのです。だからこそ、建築デザインは面白く、また、責任のある仕事です。
 デザインにはひとつの解があるわけではありません。しかし、デザインには他者と共有できる「理由」が必要です。建築を学ぶ上では、古今東西の建築から謙虚にデザインの「理由」を学ぶ姿勢が重要であると考えます。

先生の学問へのきっかけ

 文化や芸術に興味のあった両親に連れられ、古いお寺や神社、美術館を訪れることが多く、中高生になると図書館で芸術書を借り、自ら展覧会に足を運びました。一方、好きな科目は数学や物理で、自分の興味の交わるところにある分野は何だろうと考え、建築の道に進みました。大学卒業後は大手の建築事務所に勤めますが、ビッグプロジェクトを手がけるよりは小さな仕事をする方が好きでした。一番楽しいのは子育て世代の住宅づくりで、自分の設計した空間で子どもが育ち、幼少期の記憶としてその家が残ると考えたらとてもやりがいを感じます。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

工務店設計/工務店施工管理/ハウスメーカー設計/ハウスメーカー施工管理/ハウスメーカー営業/地方公務員建築/建築リノベーション設計/建築リノベーション施工管理

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高橋 彰子 先生がいらっしゃる
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 明星大学は「自己実現を目指し社会貢献ができる人の育成」を教育目標に、“教育の明星”として定評のある質の高い教育力で、次世代が求める“教育人育成”に全力をあげて取り組みます。入学後すぐに始まる全学的な初年次教育科目「自立と体験1」を設置し、学生たちは、明星大学の教育方針「体験教育」を具現化した学部・学科横断型少人数クラスで対話を重ね、未来へ向けて各自の理想や目的を磨いていきます。学部・学科を越えた全11学科の仲間との交流は、自分自身を見つめ直し、明日への新しいステップを発見する絶好の機会です。

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