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講義No.09639

無重力下で液体はどう動く? ~ロケット開発に生かされる流体力学~

航空宇宙工学の中の流体力学

 ロケットや宇宙船、人工衛星、航空機の開発や飛行に関する学問分野を「航空宇宙工学」と言います。そしてこれはさらに、空気抵抗や浮力などを研究する流体力学、機体の構造や設計に関する構造力学、エンジンを研究開発する推進工学、飛行システムや操縦などの開発に関わる制御工学の4つに分かれます。
 その中のひとつ、流体力学の流体とは、気体や液体のことで、それがどういう動きをするかを研究する学問が流体力学です。流体力学は、飛行機の誕生とともに飛躍的に進歩しましたが、さらに現代ではロケットや宇宙船開発において、重要な役割を果たしています。

無重力の中で水はどうなる?

 宇宙飛行士が無重力状態の宇宙船の中で水をこぼすと、水が球になってふわふわ浮いてくる、という映像をテレビなどで見かけます。浮くのは重力がないからで、丸くなるのは流体力学の作用である表面張力が働くからです。もしこれが宇宙船のエンジンの中だとしたらどうでしょう? 液体燃料を使う宇宙船のエンジン内も無重力なので、同じように燃料が球になって浮いてしまいます。そのままではエンジン内にうまく燃料を送ることができません。
 液体には表面をなるべく小さくしようとする特性があり、これが表面張力です。コップに水を注いでいっぱいになると、あふれる直前に表面が盛り上がる現象もその一つです。表面張力によって液面は縮まろうとするため、狭いところに集まる特性があり、これを利用して、宇宙船のエンジン内の燃料の動きを制御する研究が行われています。

宇宙開発を支える流体力学

 流体力学の研究はさまざまな分野で行われていますが、航空宇宙工学における無重力下での液体の表面張力の研究は、少し特殊な研究です。しかし、無重力の中で液体がどう動くかを把握し、それをコントロールできることによって、宇宙船のエンジンの技術開発が大きく進むため、宇宙船開発、宇宙開発を支えていく重要な基礎研究なのです。

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この学問が向いているかも 流体力学、航空宇宙工学

室蘭工業大学
理工学部 創造工学科 教授
今井 良二 先生

メッセージ

 私は中学生のときに飛行機を間近に見て感動したことがきっかけで、大学ではロケットエンジンの研究を行っている研究室に入りました。子どもの頃から航空分野、宇宙開発分野の仕事をすることを夢見ていたわけですが、夢を実現してからは苦しいことも多いです。
 しかし、そのような困難を乗り越えるのに一番重要なのが、子どものときに持った夢でした。それがあるからこそ、困難を乗り越える力になったと感じています。あなたも学校での勉強を夢につなげ、実現できるよう頑張ってください。

先生の学問へのきっかけ

 大阪の伊丹空港の近くに住んでいたため、毎日見上げる空に飛行機が飛んでいる環境で育ちました。そのため中学生の頃には自然と「将来は航空関係の仕事に就きたい」と考えるようになりました。大学は基礎工学部に進学し、ロケットエンジンの研究を行っている研究室に入りました。卒業後は企業の研究所で流体力学などの基礎研究を25年にわたって続けました。その間、国の宇宙開発団体に出向し、さまざまな分野の専門家たちと共同研究をする中で、刺激を受け視野が広がりました。産官学それぞれの経験を積んだことは私の大きな財産です。

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