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講義No.09636

中古住宅はなぜ売れない? ~市場に隠されたゆがみを考える~

流通が停滞している中古住宅市場

 日本では既存(中古)住宅が外国に比べてなかなか流通せず、そのまま空き家となって社会問題になることがあります。流通量が少ない原因のひとつに、住宅取引や不動産業に対する漠然とした不安感や不信感があると考えられます。住宅は一生のうちに何度も取引するものではなく、私たちは取引方法や物件の品質について十分な知識や情報をもたないため、住宅を売るときや買うときには専門家である不動産仲介業者に頼ることになります。しかし、取引経験の少ない私たちは、どの不動産業会社が良い仲介業者なのかもわからず、取引に対して不安になってしまいます。そんな不安が取り除かれない限り、市場は活性化できません。

仲介業者は誰の味方?

 売主と買主は、住宅の取引が成立したとき、仲介業者に手数料を支払います。売主と買主がそれぞれ別の仲介業者に取引を依頼する場合もあれば、同一の仲介業者が売主と買主の双方から依頼を受ける場合もあります。後者は業界用語で「両手仲介」と呼ばれています。一般に、住宅の売主はより高い値段で、買主はより安い値段で取引したいと考えます。それでは、両手仲介のとき、仲介業者は売主と買主のどちらの味方になるのでしょうか。本来であれば、仲介業者は両方の依頼主に公平でなければなりませんが、両手仲介取引を成立させること(二重の手数料を得ること)を最優先して、どちらか一方にとって不利になるような取引が行われてしまうこともあります。公平な取引を実現するための方法を考える必要があります。

住宅仲介サービスには価格競争がない?

 また、健全なモノやサービス市場であれば、差別化や価格競争が起こるはずですが、不動産仲介市場では仲介業者の手間やコストに関係なく、手数料は住宅取引価格の3%に固定されてしまっています。この3%は法律による上限規制がもとになっています。既存住宅市場には、健全な競争原理を機能させるために改善しなければならないことが多く残されています。

夢ナビライブ2019 東京会場

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なぜ「不正」をするのか?

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この学問が向いているかも 経済学

麗澤大学
経済学部 経済学科 准教授
大越 利之 先生

メッセージ

 毎日の生活の中に疑問を感じてください。「ここの歩道はなぜこんなに狭いのか?」など、些細なことでもかまいません。その疑問が将来の仕事につながるかもしれませんし、市役所の職員になって道路政策について研究するかもしれません。
 「なんのために今勉強しているのかわからない」と思うこともあるかもしれませんが、疑問をいざ解明しようとしたときに今の勉強が役立ちます。文章を読む力と基本的な知識があれば、手に入れたさまざまな情報を分析できるからです。ぜひあなたの感じる疑問を大切にして大学に来てください。

先生の学問へのきっかけ

 小学生の頃、家族が株で損をした姿を見ました。大学で経済を学んでいる時にバブル崩壊の話が出て「あの時家族が損をした理由をもっと知りたい」と考え始めました。バブル時代に土地が高騰したのはなぜかという疑問を抱き、金融政策と不動産価格の関係について調べるようになりました。この2つは密接に関係していますが、影響を与え合う仕組みについては、まだ解明されていません。それを明らかにするために研究に取り組んでいます。現在は中古住宅市場に注目し、マイナスなイメージを取り除き、市場の活性化に貢献したいと考えています。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

コンサルティング会社医療コンサルタント/鉄道会社駅係員/工機メーカー営業

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大越 利之 先生がいらっしゃる
麗澤大学に関心を持ったら

 「小規模にこだわる。国際性にこだわる。麗澤大学」
 THE世界大学ランキング日本版2019※の国際性分野で全国6位(千葉県第1位)を獲得。留学生数は364名(8人に1人が留学生)で、留学制度も充実。特に外国語学部では約3人に1人(2019年実績)が留学を経験。
 また2020年4月に「国際学部」が新設。新たな学びのスタイルを探求し、学生の主体性、適応力を育て、タフなマインドをもつ卒業生を輩出します。
 ※英高等教育専門週刊誌「タイムズ・ハイアー・エデュケーション(THE)」より

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