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講義No.09629

経営工学の視点から見る、企業のマネジメント手法

中小企業が被災すると、日本の製造業がマヒする

 経営工学とは、「どうすれば企業の生産性が向上するのか?」を考える学問です。例えば2011年の東日本大震災により東北各地の工場が被災して、日本の製造業は大きな打撃を受けました。自動車メーカーのトヨタも震災の影響で一時的に生産停止に追い込まれました。東北で自動車の部品を作っていた企業が被災して、必要なパーツが作れなくなってしまったからです。自動車メーカー、パソコンメーカーなどは自社のみですべてを生産しているわけではありません。多くの部品からなっている商品の部品を、国内外にあるさまざまな中小企業から調達しているのです。

万が一の天災によるリスクを回避

 大企業に依頼されていろいろな部品を作る企業を下請け企業と呼びますが、トヨタクラスの大きなメーカーになると多数の下請け企業が存在します。下請け企業のさらに下請けがあり、メーカーもそのすべてを把握しきれていませんでした。東日本大震災ではトヨタの把握していなかった下請け企業が被災してしまい、トヨタの生産に大きな混乱が生じたのです。以降、大手の製造業は下請け企業をすべてリストアップして管理をし、万が一のときでも生産が止まらない態勢を整えるようになりました。

塵(ちり)も積もれば山となる、スタバの改革

 もうひとつ、アメリカのスターバックスの例では、業務を効率化するために、25ドル以下の買い物ではクレジットカードのサインを不要にしたり、エスプレッソマシンを新しくすることで、レジの待ち時間や商品提供時間を短縮しました。短縮したのはそれぞれ10秒程度ですが、6年間続けることで大きな成果が出たのです。1店舗の年間売上が20万ドルから94万ドルに向上し、生産性も27%向上しました。
 天災などのリスクを見込んで万全の対策を取ったり、作業効率を改善して売り上げを伸ばしたりすることは、これからの時代の企業に欠かせないマネジメント手法と言えます。

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この学問が向いているかも 経営工学

上智大学
国際教養学部 国際教養学科 准教授
ヤコブ ホジャステ 先生

メッセージ

 自分は5年後に何をしているのか、10年後にどうなっていたいのか、大学での専攻を選ぶ際には、自分の将来の具体的な姿をイメージしてみてください。また日本の大学は留学制度も充実しているので、留学にも行ってみてほしいと思います。海外の国で生活をして視野を広めることはきっとあなたにとって貴重な経験となります。私自身にとっても、母国を離れ日本の大学へ学びに来たことが今の私のキャリアの出発点となりました。あなたも学びたい専攻・入るべき大学をしっかり選びましょう。講義でお会いするのを楽しみにしています。

先生の学問へのきっかけ

 子どもの頃から車が大好きで、車を見ては「どうやって作られたんだろう?」「どうやってデザインされたんだろう?」と思いを巡らせていました。イランで生まれ、18歳で大学に入学し修士課程を終えます。自動車メーカーのプジョーなどで勤務し、マネージャーや工場長として、さまざまな製造業の現場を見てきました。「もっと企業の生産の仕組みやマネジメントを研究したい」と考え、日本への留学を決意。2003年に来日し、日本の大学で6年間学び博士号を取得しました。その後は研究者として企業のマネジメント手法を研究しています。

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ヤコブ ホジャステ 先生がいらっしゃる
上智大学に関心を持ったら

 上智大学は日本初のカトリック大学として開学し、2013年に創立100周年を迎えました。創立当初から国際性豊かな大学として、外国語教育に重点を置いてきました。留学制度も充実しており、世界35ヶ国に140校にも及ぶ交換留学協定校をもち、毎年約200人の学生が世界各国へ交換留学しています。また、少人数教育も本学の伝統のひとつです。教員と学生の距離が近く、また学生同士が率直に意見を交し合う、きわめて理想的な教育環境が整っています。他者を思いやり、社会に奉仕できる人材を育成します。

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