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講義No.09625

日本人の「幸福」について経済学を使って考える

「幸福」を研究する経済学

 本来、経済学は人間の幸福について考える学問です。しかし、幸福そのものを経済学で研究する「幸福の経済学」が関心を集めるようになったのは、最近です。幸福は主観的な概念で、定義づけることや、異なる人の間で幸福を比較することが難しかったためです。
 伝統的な経済学では、人間の幸福を測る代理の指標として所得やGDP(国内総生産)を重視してきました。日本は1人当たりのGDPが大きく、物質的に豊かな国です。伝統的な経済学の考え方では、私たちは幸福とされているのです。しかし、人間の幸福がすべてお金で買えるとは限りません。

GDPが増えても幸福度は増えない

 幸福の経済学では、幸福度を測るのに、生活満足度という指標を用います。日本におけるGDPと生活満足度の関係を時系列で見ると、1人当たりの実質GDPは大きく伸びているのに比べて、生活満足度はほとんど伸びていません。
 自分の所得が増えたとしても、まわりの人たちの所得も増えていれば、幸福度が上昇しなくなります。また、所得の増加は、社会的な地位の上昇と相関するので、所得が増えた人は自分と比べる対象が変わってしまい、より多くの所得を求めるようになるのです。高くなった所得の水準にやがて慣れてしまうこともあるでしょう。

生活指標から見た幸福

 OECD(経済協力開発機構)の調査では、豊かさに関する複数の指標について、38カ国間で比較しています。興味深いのは、「健康」です。「健康」指標は、平均寿命と自己申告の健康度を組み合わせたものです。日本は平均寿命ではOECD加盟国の中で最高ですが、自己申告の健康度では下から二番目となっています。日本人は客観的に見ると健康であるのに、なぜそれを実感できないのでしょうか。これは日本人の特質を考えるうえで興味深い現象であり、そこを解き明かすことが、医療制度や政策を改善するためのヒントになります。

夢ナビライブ2019 東京会場

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幸せはお金で買えるの?

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日本の生活満足度

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健康は幸福度に影響を与える?

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講義を視聴する(30分)

この学問が向いているかも 応用経済学

駿河台大学
経済経営学部 経済経営学科 教授
佐川 和彦 先生

メッセージ

 大学を卒業して、将来どういう生活を送っていくかというところまでを考えると、趣味を持つのがいいでしょう。仕事や自分の研究だけだと、追いつめられた時に逃げ場がなくなってしまいます。
 私は趣味でオーケストラに参加していますが、時間がない中でも音楽に集中して取り組んでいると、追いつめられた気持ちがいったん解けて、違った発想が生まれます。仕事とはまったく別の世界の趣味を持っていると、波はあっても、人生をうまく切り抜けていくことができるものです。

先生の学問へのきっかけ

 大学で何を学ぶかというより、大学そのものに憧れて、とりあえず合格した商学部に入学しました。2年生までは部活に熱中し、勉強はほとんどしませんでした。しかし大学はそれほど甘くはありません。3年生になり、原書講読が必修科目として立ちはだかりました。日本語のテキストさえまともに読んでないのに、いきなり英語やフランス語で書かれたものを読むことになりましたが、いざ読んでみるとこれが実に面白く、たちまち経済学の虜(とりこ)になりました。始めて数カ月で大学院進学を決意し、そのまま研究者として現在に至っています。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

金融機関営業/生命保険会社営業/物流会社営業/不動産会社営業

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佐川 和彦 先生がいらっしゃる
駿河台大学に関心を持ったら

 駿河台大学は、緑豊かな美しい自然環境に恵まれた飯能にキャンパスを持つ、人文・社会科学系の総合大学です。「ひとりひとりの夢とその歩みを支援し、自立を促す教育」を行い、学生と教員が討論を重ねる少人数制のゼミ教育を重視。資格取得はもちろん、実社会で役立つ、コミュニケーション能力・プレゼンテーション能力などを培います。一生の仲間をつくり、将来に役立つ体験に挑戦するキャンパスライフを応援しています。5学部15コース分野で、法律・経済経営・メディア・観光・スポーツ・心理などを専門的に学べます。

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