夢ナビ夢ナビは、さまざまな言葉をデータベースから検索・閲覧し、将来の進路を決める“きっかけ”を提供します。

講義No.09618

人工知能には「ぬるぬる」も「ゴロゴロ」もわからない!?

あいまいなものが苦手な人工知能

 人間が使う言語をコンピュータで処理することを、自然言語処理と言います。この技術はインターネット検索やコンピュータによる翻訳などに活用されています。スマートフォンの音声アシスタントやスマートスピーカーなど、人工知能(AI)が人間の言葉を的確に理解し、電子機器をコントロールする技術も発達しています。
 しかし、AIにも苦手なものがあります。それは、「あいまいさ」です。人間の言葉の中でも日本語のオノマトペは特にあいまいです。オノマトペとは、「ワンワン」などの動物が出す声や自然界の音を模した擬音語と、「ドキドキ」や「ふわふわ」など感情やものの状態を表す擬態語をまとめた言葉です。

意味が定まらないオノマトペ

 オノマトペには「意味を明確に定義できない」「複数の意味を持つ」「意味が時代とともに変化する」などの特徴があり、機械で処理することがとても難しいのです。例えば、「ゴロゴロ」は、岩が転がる時の音を表したり、「目がゴロゴロする」などの感覚や「家でゴロゴロする」という状態を表したりと、複数の意味を持っています。また、「ぬるぬる」は不快な印象を与えるオノマトペでしたが、最近は「動画がぬるぬる動く」のようにポジティブな使い方もされています。これは時代とともに生まれた新しい用法です。

自然なコミュニケーションも可能に?

 オノマトペは人間の感情やものの状態を表すにはとても便利な言葉ですが、AIがその細かいニュアンスを理解するのは大変難しいと言えます。そこで、現在進められているのが、オノマトペデータベースの構築です。オノマトペの意味は、前後にある単語から推測することができます。したがって、それらをまとめたデータベースを作ることで、コンピュータがオノマトペの意味を理解する手助けをしようとしています。
 オノマトペの意味を正確に処理できるようになれば、人間の言葉のニュアンスをとらえ、人間と自然にコミュニケーションをとれるAIに一歩近づくことができます。

アイコン

講義を視聴する(1分)

アイコン

講義を視聴する(1分 その2)

アイコン

講義を視聴する(1分 その3)

アイコン

講義を視聴する(30分)

この学問が向いているかも 情報工学、言語学

北海学園大学
工学部 電子情報工学科 准教授
内田 ゆず 先生

メッセージ

 進学先を考える時に、「やりたいこと」よりも「科目の得意・不得意」で選ぼうとしていませんか? 私も初めはそうでした。ロボットに興味があったのに、数学や物理が得意ではないという理由で工学系の学部を選択肢から外していたのです。最終的に「やりたいこと」を優先して工学部を選んで、今は良かったと思っています。
 興味がないことを選ぶと、続けるのがつらくなります。興味があれば、苦手なことでも頑張れるものです。自分自身の「わくわくする気持ち」を大切にして道を切り開いてください。

先生の学問へのきっかけ

 私が小さい頃に触れたSFの漫画や映画では、ロボットが人間と共に暮らし、ものを考え、しゃべっていました。そんな世界に憧れて、いつかロボットを作りたいという夢を抱いたのが、この道に進むきっかけでした。大学は工学部に進学し、最初は人間と同じように動くロボットを作ることをめざしましたが、次第に、言葉を覚え、学習して成長する「自分で考えて動くロボット」へと興味が移りました。そこで、人間の言葉をコンピュータで処理する自然言語処理を研究し、コンピュータにあいまいな言葉をどう処理させるかに力を注いでいます。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

IT・通信企業SE/電気・機械メーカー設計開発職/運輸交通業技術職/技術系公務員/公安系公務員/中学・高校数学教員など

大学アイコン
内田 ゆず 先生がいらっしゃる
北海学園大学に関心を持ったら

 国に依拠せず自立・自律の在野精神、すなわち「フロンティア精神」を堅持し、その具体化に努めてきた結果、北海道最大の私立総合大学に成長できました。今後、私たちに求められるのは、社会に山積する問題を認識・発見し、それを理性的・創造的に解決すること。また、人間の原点を見直し、幅広い人間性、高い社会性、豊かな国際性の涵養です。そうして得た多様な価値観が、世界の様々な社会や考え方を共有できる知性となるのです。北の大地で自分の将来を探し求め、自信と勇気をもって社会で活躍できる人間になろうではありませんか。

TOPへもどる