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講義No.09609

認知症になっても幸せに生きる

認知症は身近な病気

 日本では、高齢者の4人に1人が認知症患者やその予備軍であると言われています。誰が認知症になってもおかしくありませんし、さらに考えれば、誰もが認知症の人の介護をする立場になる可能性があるのです。
 残念ながら現代の医学では認知症は治すことができません。認知症には遺伝と環境の2つの要因があり、環境的要因は運動や食事などの生活環境の改善により予防をすることができますが、遺伝的要因によるものは発症を抑える手立てが見つかっていないのです。

認知症になっても小脳は働き続ける

 認知症を発症したからといって、なにもかも忘れてしまうわけではありません。認知症の病変は主に記憶や判断などをつかさどる大脳に起こります。脳にはほかに小脳という部分があり、こちらは運動の記憶や動作の調整を担っています。小脳は認知症の病変が出にくいため、認知症の人も動作は覚えていられます。最近、認知症の人が車を運転して事故につながるケースが増えているのは、車の運転という操作は小脳で覚えているものの、大脳の働きが低下しているために正しい判断ができないからです。

よい生活を送るためのリハビリテーション

 認知症発症後のリハビリテーションでは、小脳で覚えている動作の記憶を引き出します。例えば、洗濯板などの昔使っていた道具を用意すると、上手に使えることがあります。釜などでお米を炊く場合に、水加減の目盛りがなくても手を使って水量を計る方法を覚えている場合もあります。また、人から感謝されたり、期待されたりする経験は認知症の人もうれしく感じるものです。認知症になっても、残っている機能を発揮できる、なんらかの役割を持ってもらうこともリハビリテーションのひとつです。
 医学は悪いところを治してくれますが、認知症のような治らない病気には対処できません。リハビリテーションはその人にできることを見つけて、ポジティブに生活を送れるように導くのです。

参考資料
1:認知症の脳活性化リハビリテーション

夢ナビライブ2019 東京会場

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認知症になるとどんな気持ち?

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運動で生成される「いい」ホルモン

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認知症者の思い

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講義を視聴する(30分)

この学問が向いているかも 保健学、リハビリテーション学

群馬大学
医学部 保健学科 准教授
山上 徹也 先生

先生の著書
メッセージ

 医療に従事すると、いろいろな人とコミュニケーションをとる必要があります。子どもから高齢者まで幅広い世代と接する仕事なので、医療に興味があるなら、幅広い世代との交流を心がけておくとよいでしょう。また、自分と違う世界を持っている人と接することで、視野が広がり将来役に立つと思います。
 高齢化が進む現代では、さまざまな機会に認知症の人と接することが増えていきます。認知症の人もポジティブな暮らしができる社会をめざして、一緒に勉強していきましょう。

先生の学問へのきっかけ

 私は、理学療法士として認知症患者のリハビリテーションに関わっています。子どもの頃、祖父が認知症になって入院し、病院で「家に帰りたい」とずっと言っていたのが忘れられず、祖父のつらい思いに心が痛んだのです。大学で専攻した理学療法は、運動などのリハビリテーションが中心でしたので、好きな課題が選べた卒業研究では、気になっていた認知症について研究しました。当時は認知症について世間で大きく取り上げられることがなかったのですが、現在は認知症の患者が増えてきたため、理学療法士にも認知症の知識が求められています。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

病院・介護施設などの理学療法士/訪問看護ステーションの理学療法士として訪問リハを提供/行政職として保健・福祉行政に関与/独立開業し、介護保険事業などの経営

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山上 徹也 先生がいらっしゃる
群馬大学に関心を持ったら

 群馬大学は北関東を代表する総合大学として、優れた人材を育成し、学問の研究と応用、福祉への貢献など、社会的使命を果たすことを特色としています。「社会のニーズに配慮しつつ細分化から総合化へ」という理念を研究面、及び教育面に具体的に実現させ、「研究活動面における社会との連携及び協力」に高く評価される形となって生かされています。

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