夢ナビ夢ナビは、さまざまな言葉をデータベースから検索・閲覧し、将来の進路を決める“きっかけ”を提供します。

講義No.09602

国際貿易によって国内経済はどう変わるか

衰退産業の商品価格

 世の中には、時代の変化にともないあまり売れなくなってしまった商品があります。例えばCDは楽曲のダウンロードに取って代わられ、生産量が大幅に減りました。では、そうした商品の価格はどのようにして決まるのでしょう。需要が落ちれば価格は下がると考えられますが、価格が下がらずに売れている場合もあります。例えばパソコン用モニタ市場では海外製品のシェアが伸びており、特に日本製の需要が減ってきました。しかし、価格はむしろ上がっています。安い海外製品に対して、製品の品質で勝負するようになったためです。

アメリカでテレビが売れなくなった?

 1960年代、アメリカで国産テレビの需要が落ちるという現象がありました。当時、高度経済成長期の日本から安いテレビを大量に輸入したのが原因です。このように、ある国の経済成長が国際貿易に大きな影響を与えることがあります。発展途上国から安い製品が入ってくることで国内市場が混乱する、というのは今でもあり得る話ですが、グローバル化の進む現在では、それぞれの国が得意なものやサービスを貿易によって補い合う、という発想が求められます。もちろんその際、国内の生産者が困ることのないよう、政策でケアするなどの対策も必要です。

良い市場で得られる信頼

 国によって制度が違うことも、国際貿易に影響を及ぼします。日本では食品安全基本法やPL法(製造物責任法)などにより、製品の高い安全性が求められますが、そうした基準の厳しい国への輸出は難しくなります。例えば中国では食品の安全基準が低かったため、日本に輸出した食品に問題が生じました。現在では中国の基準がより厳しくなりました。
 基準が厳しくなると、企業にとっては対応が大変です。質の良い安全性の高い製品を作るには相応のコストがかかるため、実現が難しい場合もあります。ただし長い目で見れば、製品の質を高めていくことが市場の質を高めることにもつながり、良い市場で取引することで消費者から信頼を得ることができるのです。

夢ナビライブ2019 東京会場

アイコン

講義を視聴する(1分)

アイコン

講義を視聴する(1分 その2)

アイコン

講義を視聴する(1分 その3)

アイコン

講義を視聴する(30分)

この学問が向いているかも 国際貿易論、産業組織論

横浜市立大学
国際商学部 国際商学科 准教授
太田 塁 先生

メッセージ

 「経済がグローバル化する」とはどういう意味だと思いますか? もちろん外国企業との取引が増えるということもありますが、自国の経済が外国の経済との関係の中で決まる度合いが強くなる、ということが本当の意味だと私は考えます。つまり、外国の経済やライバル企業のことをきちんと理解しないと、最適な意思決定ができない社会になるということです。
 横浜市立大学の国際商学部は、そのような社会の中でリーダーとなる人材を育成するという理念の下に立ち上がりました。大学の授業であなたに会えることを楽しみにしています。

先生の学問へのきっかけ

 中学生の時、授業で「需要と供給によってモノの値段が決まる」という話を聞き、それを知った驚きとともに、黒板にグラフを書いて説明できるほど単純な理論であることにも驚きました。それは、勉強していることが実は身近なものなのだと感じた瞬間でした。こうして経済の理論に関心を持ったのですが、勉強していくうち、現実はこんなに単純なものではないはずだ、もっと現場を見たい、と考えて大学は商学部に進学します。そして経営について実践的に学ぶ中で、理論の大切さを再認識し、もう一度理論の研究に戻ることにしました。

大学アイコン
太田 塁 先生がいらっしゃる
横浜市立大学に関心を持ったら

 横浜市立大学は、「実践的な教養教育」を導入しています。高度な専門知識を教養教育を通じて身につけ、バランスのとれた人材育成を図る教育システムです。日本を代表する国際港湾都市に位置する大学として、世界に羽ばたく人材の輩出を目的に、国際感覚を養うさまざまな取り組みも充実しています。個々の可能性を最大限引き出すための厳しい教育プログラムを愛情を持って進めていきます。

TOPへもどる