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講義No.09601

川の成り立ちを調べて土砂災害を防ぐ! ~土砂の性質について~

山や川はどうやってできるのだろう?

 身の回りにある自然は、どのようにしてできたのでしょうか? 例えば山や川の成り立ちは、それらの形成に密接に関わる土砂の性質と移動の仕方にあらわれます。つまり、土砂の性質や流れ方について調べれば、山や川がどのようにしてできたのかがわかるのです。

土砂の性質や流れ方の調査

 まず調べるのは、河原にある石の大きさや形です。どんな大きさ・形か、それがどういう割合で混じっているのかを調べます。それから谷や河原、山の斜面の地形の関係を見ていきます。過去に蓄積された土砂の動きに関する物理的な研究や地形研究も照らしあわせながら、どんなふうに土砂が動いたのかを分析し、地形のでき方を明らかにします。
 また、土砂の流れ方は大きく分けると3通りあります。重力の作用だけで動くもの(山崩れ)、川の水が流れることによって動くもの、そして重力と水の流れ両方によって動くもの(土石流)です。川の水が石を運ぶ場合、当然石の大きさよりも川が深くなければ運ぶことができません。つまり、石の大きさから洪水時の川の深さを知ることもできます。このように地形とあわせて石の大きさを調べることによって、石の動き方だけでなくその場所の環境も知ることができます。

土砂からわかる、さまざまなこと

 地面の傾斜と土砂の動き方や土砂の動きでできる地形の関係を用いて、土砂災害・洪水ハザードマップ(防災・被害予測地図)をつくることもできます。ハザードマップがあれば、どこでどのような土砂崩れが起きるか予測できるので、状況に応じてさまざまな対策を立てることができ、土砂崩れによる被害を防いだり、抑えたりすることができます。また樹木の樹齢を調べていくと、過去にいつ土砂が流れたのかがわかる場合もあります。
 山や川の成り立ちは、人間との関わりのなかで考えれば、土砂災害、河川災害を考える糸口になりますし、そこに生えている植物などと結びつければ、自然のでき方や美しい風景のでき方にも理解が広がっていきます。

夢ナビライブ2019 東京会場

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この学問が向いているかも 地理学、自然地理学、地形学

立正大学
地球環境科学部 地理学科 教授
島津 弘 先生

先生の著書
メッセージ

 あなたが、風景や場所に対して興味関心を持っているなら、ぜひ地理分野をめざしてほしいと思います。例えば、美しい自然を見たときに、それがどうやってできたのか疑問に思ったり、おもしろい街を発見したときに、その街をよりよくするにはどうすればいいのか考えたりするのが好きであれば、地理学に向いています。
 地形が持っている意味や、その風景の保全や災害の軽減のための方策、そこで暮らしている人々への影響を考えるのも地理学の一分野です。ぜひ私と一緒に地理を研究しましょう。地図を見るのが好きな人も大歓迎です。

先生の学問へのきっかけ

 最初に自然災害に関心を抱いたのは小学生の頃でした。巨大地震と地殻変動で日本列島が消滅する小松左京原作の『日本沈没』という映画や、テレビ中継された実際の水害の映像が目に焼き付いたのです。一方で地図を眺めるのが好きで、その場所に実際に足を運んで、山に登り、川岸を歩きながら、その成因に興味を持ち「この風景が開発などで壊されるのを防ぎたい」と考えるようになります。大学では理学部で地理学を専攻し、川を中心とした地形などを研究しました。以来、地形の成因や災害・自然環境と人々との関係を調査・研究してきました。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

測量・航空測量会社技術・営業/地図会社技術・営業/官公庁都市計画・建設・防災/防災・建設コンサルタント技術・営業/環境調査会社技術・営業

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島津 弘 先生がいらっしゃる
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 立正大学は、人間・社会・地球をトータルでケアできる人材を育成する8学部15学科を有し、多彩な学問分野において広く深く学ぶことができます。加えて充実したキャリア形成支援により、社会の多方面で活躍する優れた人材を輩出しています。本学は1872年(明治5年)東京・芝に開校の起点となる小教院を設立し、2019年で開校147年を迎えました。品川キャンパスは山手線2駅から徒歩5分の都市型キャンパス、熊谷キャンパスは東京ドーム約8個分の広大な自然環境型キャンパスをもつ、学生数1万人を超える総合大学です。

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