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講義No.09595

未知の微生物を捕獲して、人間の生活に役立てよう

未知の微生物を捕まえるには?

 「未知の微生物」というと、ジャングルや深海、極地など、簡単には行けない場所にいるイメージがあるでしょう。もちろん、そういった場所からも未知の微生物が発見・捕獲された(分離培養された)例がありますが、身近なところからも捕まえることができるのです。例えば、水生植物のヨシは川のほとりや池などに行けば、すぐに見つけることができます。そのヨシの根から系統分類的にとても新しい未知の微生物を発見し、その培養に成功した例があります。

微生物を何に使う?

 いくら未知の微生物を捕まえても、私たち人間にとって役に立たなければ価値がありません。では、こういった未知の微生物は何に利用することができるのでしょう? 例えば、田んぼなどにプカプカ浮いているウキクサを知っていますか? 実はこのウキクサは、環境汚染の原因となる化合物を分解する能力があるのですが、最近になってその能力はウキクサの根っこについている微生物の能力によることがわかってきました。しかも、その根や葉には未知の微生物が多く存在していることもわかったのです。つまり、その未知の微生物の中には環境汚染の原因物質を分解する能力を持つものが含まれる可能性が高く、こういった微生物を捕まえて、水生植物に再導入することで、環境浄化機能を強化したウキクサを作ることができるかもしれません。このようにして作った機能強化ウキクサは、汚水処理システムが整備されていない発展途上国や地域で活用できる可能性があります。

残り99%が秘めた可能性

 現在、培養方法が確立している微生物は全体の1%以下で、その中には納豆菌や乳酸菌、抗生物質の材料となる放線菌など、人間の生活に役立つ微生物が数多くいます。つまり、残り99%の中には、それ以上に有用な微生物がいるかもしれず、これらの微生物は「宝の山」として、私たちに発掘されるのを待っている……と言っても過言ではないかもしれません。

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この学問が向いているかも 微生物学生態学、環境微生物学

山梨大学
生命環境学部 環境科学科 准教授
田中 靖浩 先生

メッセージ

 大学生になって心がけるべきことは、自分で考える習慣をつけることです。与えられたテーマを理解し、解決方法を考える。その上で目標を達成するための計画を練り、自分が決めた手順にしたがって実験などを行い、最終的に卒業論文などにまとめる。慣れないうちは大変な作業ですが、こうした経験をしておくと社会に出てから道を切り開ける力になりますし、発想力も養われます。
 特に微生物の分野は、まだ誰も知らない、見たことのない世界に触れるチャンスがありますから、「未知」という言葉にロマンを感じるなら、ぜひ志してください。

先生の学問へのきっかけ

 機能性食品の研究をしようと考えましたが、大学で微生物を専門とする先生に出会い、意気投合したことで微生物の研究に路線変更しました。その後、初めて勤めた研究所の上司から、「未知の微生物を培養する方法を考えてほしい」と言われ、研究に従事しました。子どもの頃、未確認生物を求めて秘境を探検するテレビ番組が好きだったこともあり、未知の微生物という言葉に強く惹かれました。実際、微生物探しはワクワクする出来事の連続で、今までに培養されていない新しい微生物の培養に成功した時は言葉にできないほどの達成感があります。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

環境コンサルタント/医薬品会社/公務員/食品会社 など

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田中 靖浩 先生がいらっしゃる
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 山梨大学は、教育学部、医学部、工学部、生命環境学部からなる国立大学です。「地域の中核、世界の人材」というキャッチフレーズを掲げ、地域の要請に応えることができると同時に、世界で活躍できる人材の育成をめざしています。水素と燃料電池の教育研究の国際的拠点であるクリーンエネルギー研究センターは工学部と密接に連携しています。
 教育学部、工学部、生命環境学部のある甲府キャンパスと医学部キャンパスは離れていますが、1年次生は全員が甲府キャンパスで基礎学力の修得と人格の陶冶をめざした全学共通教育科目を履修します。

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