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講義No.09577

困難な膵臓がんにどう立ち向かうか?

膵臓がんによる死亡者数の深刻な増加

 国立がん研究センターのがん登録・統計(2017年)によると、がんでの死亡率が高い部位の上位に肝臓と膵(すい)臓が入っています。男性では4位に肝臓、5位に膵臓が、女性では3位に膵臓が入っています。2014年の統計では男女とも膵臓がんは5位までに入っていませんでしたが、ここ10年で死亡者数が1.5倍にも増えているのです。これには、膵臓がん自体の発症者が増えていることに加え、膵臓がんは発見したときには病状がすでに進行していることが多く、根治が難しいという理由が挙げられます。

手術前後の抗がん剤投与が効果的

 悪性腫瘍(がん)の治療は、化学療法(抗がん剤)、放射線療法、手術療法が3本柱で、最近では免疫療法も有効な手段と考えられています。
 膵臓がんの治療は、切除可能な場合は患部を取り除く手術療法になりますが、手術前に抗がん剤を使うことで腫瘍を小さくしてから手術をすることができます。また、手術後にも抗がん剤を使い、肺など遠隔に飛んでいるかもしれないがん細胞をたたくことで、再発予防にもつながります。近年、がんの増殖スピードを抑える効果のある抗がん剤も登場し、再発までの期間が延びるなど治療成績が大きく向上しました。このように、局所療法である手術と全身療法である化学療法など、2つ以上の治療方法を組み合わせて治療を行うことを集学的治療と呼びます。

膵臓がんが見つかったら最善を尽くす

 治すことが難しい膵臓がんを、早期に発見することはできないのでしょうか? 膵臓がんはある程度進行しないと自覚症状が出ない上に、検診を受ける全員にMRI(磁気共鳴画像)撮影を行うことは医療経済的に問題があり、早期発見が難しいのです。そのため現状では、膵臓がんが見つかった段階で治療にベストを尽くすことが大切です。今後、どういう場合に手術が適しているのかなどの研究が進めば、さらなる治療成績の向上が期待されます。

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この学問が向いているかも 医学

帝京大学
医学部 外科学講座 教授
佐野 圭二 先生

メッセージ

 私は子どもの頃から人と接するのが好きで、将来は小学校の先生か八百屋さん、外科医のどれかになりたいと思っていました。結局、父が外科医だったこともあり、医学の道に進みました。その中でも、肝臓・胆嚢(たんのう)・膵臓という肝胆膵分野を選んだのは、困難な病気を治療できるようになりたいという思いからです。
 肝胆膵分野の外科医は、早く一人前になりたいという人には向きません。しかしあなたが、高い山に登るように困難な治療に挑み続けたいと思うなら、ぜひこの分野を学んでください。

先生の学問へのきっかけ

 肝臓・胆嚢(たんのう)・膵(すい)臓のがんを治せる医師になりたいと思い、この分野を専門とする外科医になりました。肝臓、胆嚢、膵臓のがんの中では、特に近年膵臓がんによる死亡者数が増えており、この10年間で1.5倍にもなっているのです。膵臓がんは、治すことが難しいがんとして知られています。しかし、最近では膵臓がんの増殖スピードを抑制する効果のある抗がん剤が登場し、術前術後に抗がん剤を使うことで再発までの期間が長くなり、患者さんの余命も長くなっています。

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 医療系・文系・理系と幅広い分野の10学部32学科を擁する総合大学です。医学部・薬学部・医療技術学部を擁する板橋キャンパスの最大の特長は、医学部附属病院が隣接している点。学生は救命救急センターやERなど最先端の医療を、実習を通し体感できる場ともなっています。都心へのアクセスも良好であり、キャンパス最寄りの十条駅から池袋駅へ7分程度で行けますので、ショッピングなども気軽に楽しめます。

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