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講義No.09576

これからの薬剤師には、臨床と研究を行き来しての活躍が期待されている

多くの薬を処方されている高齢者

 高齢者が、病院で処方された、たくさんの薬を服用している姿を目にすることがあるかもしれません。平均で6~7種類、中には10種類以上の薬を処方されている高齢者が4人に1人にのぼるというデータもあります。こうした状況を「多剤服用」と言います。

複数の医師による処方は誰が管理すべきか

 高齢になると体のあちこちに不具合が出てくるので、複数の医療機関で受診する人が増えます。すると患者さんがどのような薬を服用しているか把握できないまま、多数の薬が処方されてしまうということが起きるのです。
 しかし、高齢になると肝臓などの働きが低下し、薬の成分を分解・代謝する機能が弱くなります。そのため薬をたくさん服用しすぎると、意識障がいや低血糖、肝機能障がい、ふらつき、転倒などの副作用を生じやすくなります。また、薬の飲み合わせによっても副作用が生じることがあります。
 このような状況で医師がすべての服用薬を把握することは難しいので、患者さんの服用薬を総合的に見ていくのは薬剤師の役割です。

薬剤学を武器に、臨床でエビデンスを蓄積する

 多剤服用の状況を改善するには、患者さん個々人の薬歴のデータベース化や、有害事象が誘発される薬剤の組み合わせを、高齢者居住施設や家庭などで探索できるようにすることが求められます。さらに、薬局では薬剤師のスキル向上や在宅での服薬指導、薬剤管理の推進、そして研究室では薬剤の相互作用の解析などをして、エビデンス(科学的証拠)を作成することなどが重要になります。エビデンスがあることで、薬剤師が医師に対して適切な提言ができるようになります。
 これからの薬剤師には、臨床現場で課題を発見し、研究室や現場で解決策を考え、再び臨床現場で解決策を実践するという力が必要になります。こうした取り組みが、高齢者医療の向上にとって不可欠と言えるでしょう。

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この学問が向いているかも 薬剤学

帝京大学
薬学部 薬学科 教授
黄倉 崇 先生

メッセージ

 医療の現場で活躍するためのスキルとして、私たちの研究室では、(1)正しい情報を調べる力、(2)論理的に考える力、(3)プレゼンテーション力、を薬剤学の研究を通して鍛えています。薬剤学とは医薬品をどのような形で、どのくらいの量、どんなタイミングで投与すれば、それぞれの患者さんにとって最も有効で安全なのかを追究する学問です。
 薬剤学を武器にした臨床と基礎研究の融合は、研究成果を臨床現場に還元し、実臨床の課題の解決に役立つはずです。ぜひ、あなたと一緒に研究できることを期待しています。

先生の学問へのきっかけ

 大学入学後はテニスばかりしていました。しかし、細胞の受容体の研究で有名な山田静雄教授の研究室に入ると、受容体研究の面白さにとりつかれ、博士課程まで進んで研究を頑張ろうと考えました。
 国際受容体学会で研究発表をした際、「学位を取ったらうちにきなよ」と米国アリゾナ大学のヘンリー山村教授に声をかけられました。1年間留学したあと帰国し、その後は、脳にとっての有害な物質が脳内に侵入するのを防ぐ機構である「血液脳関門」などの研究に没頭することになりました。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

薬局薬剤師/病院薬剤師/製薬会社開発職

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黄倉 崇 先生がいらっしゃる
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 医療系・文系・理系と幅広い分野の10学部32学科を擁する総合大学です。医学部・薬学部・医療技術学部を擁する板橋キャンパスの最大の特長は、医学部附属病院が隣接している点。学生は救命救急センターやERなど最先端の医療を、実習を通し体感できる場ともなっています。都心へのアクセスも良好であり、キャンパス最寄りの十条駅から池袋駅へ7分程度で行けますので、ショッピングなども気軽に楽しめます。

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