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講義No.09560

コミュニケーションに必要な「語る」技術

ドイツでは演劇が人気

 ドイツでサッカーがとても人気があるのは有名で、プロリーグが3部、セミプロリーグは各地域を合わせると11部まで存在しています。そのサッカーの観客動員数よりも演劇の観客数の方が上回るということから、ドイツでどれほど演劇が国民に親しまれているかがわかります。劇場の予算のうち、チケット売り上げの占める割合は4分の1ほどで、残りの4分の3は主に公的な補助金から捻出されています。これは、日本での学校運営に補助金を出すのと同じ考え方によるものです。ドイツでは「語る」ことを学ぶ社会教育の場のひとつが「演劇」だと考えられています。

演劇から学ぶ「語る」技術

 コミュニケーションで大切なことは「声を出す」こと、つまりは「心と体」を相手に「開く」ことです。日本の言語教育は知識に偏り、どのように相手に伝えるのかを学ぶ機会が少ないのが現状です。欧米では語り方を学ぶために、演劇や詩の朗読が授業に組み込まれています。あるいはさまざまな演劇を見ることで、人と人とのコミュニケーションの方法を実際に目の前で知ることができます。「相手」に対して「自分」を「演じる」ための基本の技術が「語る」ことなのです。
 日本では言葉の少ないほうが美徳だという風潮がありますが、外国では通用しません。はっきりと語れない人は、頭のよくない退屈な人だと思われてしまいます。円滑なコミュニケーションのためには、語学的な内容と共に、語る技術を習得する必要があります。

語る訓練が必要な日本人

 国を超えたコミュニケーションのためには、まずは言葉の習得が土台となります。その国の言葉がまったくわからなければ、理解は深まりません。例えば母音や子音の相違は最初の難関です。逆に言えば、日本語との発音の差を理解し、練習することで、コミュニケーションの能力を高めることができます。これは、何回も直されて、初めてできるようになるものです。知識としての語学力の土台となる「語る」ことは、実は心と体の「訓練」なのです。

夢ナビライブ2019 東京会場

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この学問が向いているかも ドイツ文学、外国語学

専修大学
国際コミュニケーション学部 異文化コミュニケーション学科(2020年4月設置) 教授
寺尾 格 先生

メッセージ

 外国語を勉強するのは大変ですが、日本人にとって不得手なのは、「どうやって語るのか」です。外国語で「語る」のは、勉強というよりも「訓練」です。スポーツのように何度も何度も反復練習し、できないことができるようになることが、外国語を勉強する楽しさです。
 島国日本であるからこそ、世界の「他者」に広く目を向けることが、とても大切です。あなたも大学に入ったら、「他者」を通して、「自分」の世界を広げてください。可能性を広げることが、大学で勉強するうえで一番大切なことです。

先生の学問へのきっかけ

 大学では最初、社会科学系の学部に入学しましたが、人間を階級や階層などの集団としてとらえることに、だんだん疑問がわいてきました。人間は一人ひとり違うのにおかしいのではないかと思ってしまったのです。そこで専攻を変え、ドイツ語が好きだったことから、独文学科に学士入学しました。独学では自信のあったドイツ語なのに、授業で出た小説の訳ができず、講師に笑われたことが悔しくて、それから猛勉強を始めました。現在はドイツ語を中心に、文学論や演劇論なども教えています。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

一般企業(貿易・物流・商社・観光・旅行・航空・運輸・情報・マスコミほか)/国際関係機関/国内外大学院など

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寺尾 格 先生がいらっしゃる
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 専修大学は、1880年(明治13年)に経済科と法律科からなる専修学校として創立されました。「経済科」は日本初の、また「法律科」は私学で初の高等教育機関でした。2019年に創立140年を迎える、日本でも屈指の伝統を持つ大学です。社会科学、人文科学、総合科学、の3系統、8学部20学科からなる社会人文系総合大学として、「自ら問題を見つけ主体的に解決する知力」と「人間力」、「倫理観」を持った人材を育成しています。まずはオープンキャンパスの大学紹介や模擬授業に参加して、大学の雰囲気を体感してみてください。

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