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講義No.09551

人間とロボット、一緒に勉強するならどっちがいい?

「わからない」に気づく

 友人と一緒に勉強している時、友人の質問に答えられず、「わかったつもりになっていた」と気づいた経験はないでしょうか。こうした気づきは学びにとって重要な要素です。気づきが、学習者の興味を喚起し、自分から積極的に学ぼうという気にさせます。つまり、他者とコミュニケーションをとりながらの学習は、学びの主体性や学びの質を高める有効な方法のひとつなのです。

ロボットが相手だと安心

 コミュニケーションによる学習では、パートナーに対する信頼感も重要です。例えば、パートナーが初対面の人間だと、緊張や恥ずかしさなどの心理的抵抗から、積極的に学習に取り組めない傾向が見られます。では、パートナーがロボットだとどうでしょうか。実際に行われた英語コミュニケーション学習の実験では、ロボット相手のほうが人間相手よりも心理的抵抗感が少なく、学習に集中できるという結果になりました。ロボット相手だと緊張もせず、積極的に英語を話せるというわけです。
 また、同じロボットでも、パソコンの画面の中にいる場合とモノとして近くにいる場合とでは、後者のほうが良い成績になりました。学習者が目を合せる回数も、モノのロボットのほうが多かったというデータが出ています。つまり、よりヒトに近いロボットのほうが学習者の信頼感を得られ、コミュニケーションの活性化につながったと考えられます。

AIが学びのパートナーになる?

 今後AI(人工知能)が発達し、その学習者がどういう間違いをするかなどの傾向を理解して多種多様な反応ができるようになれば、ヒトとAIのコミュニケーションはさらに活性化します。つまり、AIがヒトの学びの良きパートナーになるわけです。
 ただし、いつも正解を教えてくれるAIが良きパートナーとは限りません。あえて間違えるAIのほうが主体性の高い学びにつながる可能性があります。AIがヒトの学習支援にあたってどのように振る舞うべきかは、今後の研究課題のひとつです。

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この学問が向いているかも 応用情報学、情報理工学

電気通信大学
情報理工学域 I類(情報系) メディア情報学プログラム 教授
柏原 昭博 先生

メッセージ

 今はインターネットで簡単に知識が手に入る時代です。でもその半面、すぐに答えを知った気になってしまい、物事への興味関心が薄れてしまうこともあります。物事への興味関心がなくなれば、新しい知識を生み出すための疑問も生まれません。すでにある知識で仕事をするのはAI(人工知能)の得意分野です。
 一方、これからの時代を生きるあなたには、新しい知識を生み出す力が求められるようになります。その力を養うためにも、日頃から物事への興味関心や疑問、既存の知識に対する疑いの目を持つようにしてください。

先生の学問へのきっかけ

 私は、「学習工学」という研究を専門にしています。そのきっかけは、大学で情報工学を勉強していた時に「AI(人工知能)」と出合ったことです。当時も今と同様、「やがてAIが人間以上に高度で知的な処理を行い、問題解決ができるようになる」と言われていましたが、疑問に思い、本格的に研究者の道を歩み始めます。そして、研究を進めていくうちに人工知能の限界を知り、興味の対象が機械の知能から人間の知能へと移っていきました。人はいかに学ぶのか? 人はどのように思考するのか? その疑問の答えを求めて今に至っています。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

情報・通信会社研究開発/ソフトウェアベンダーエンジニア/教育・学習サービスデザイン/インターネットサービス制作

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柏原 昭博 先生がいらっしゃる
電気通信大学に関心を持ったら

 電気通信大学は、東京にある理工系国立大学で、「工学」と「理学」のうち、特に情報分野および理工分野を核とした教育研究を行っています。先端科学技術を支える全分野、例えば、情報、通信、電子、知能機械、ロボティクス、光科学、物理、量子、化学、物質、生命などの分野を網羅しています。社会で活躍する人材の育成をめざし、ものづくりに意欲を燃やす学生の期待に応える教育環境を提供します。

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