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講義No.09536

グローバリゼーションの功罪~世界の最貧層の人を支援する~

グローバル化のメリット・デメリット

 グローバル化が経済に及ぼす影響について、自由貿易が進んだことをメリットと感じる人がいる一方、競争相手が増えて雇用が奪われるなどのデメリットを指摘する人もいます。1988年から2008年までの約20年間で、世界の人の所得がどれぐらい伸びたかを所得層別に示したグラフがあります。この約20年間は冷戦終結後、グローバル化が進んだ時期と重なるため、伸び率の大小によってグローバル化の恩恵を受けた所得層と、そうではない所得層がわかるのです。

先進国では国内格差の拡大が問題に

 このグラフは、その形から「エレファントグラフ」と呼ばれています。つまり、グローバル化の恩恵を受けていたのは、先進国に住む最も所得が高い「スーパーリッチ」の層と、中国やインドなど人口規模が多い国に住み、かつては経済的に貧しいとされた層の人たちでした。一方、先進国に住んでいても中間層から下に位置する人たちや、世界の最貧層の人たちは所得の伸びに大きな増加が見られません。先進国にいながらグローバル化の恩恵を受けていないことを、急成長しているほかの国のせいだと考える人もいますが、経済学的な分析では問題はむしろ国内での所得格差が広がっていることにある、とする見方が優勢です。

世界の最貧層の人たちの支援

 国際経済学の関心は、グローバル化の恩恵から取り残された世界の最貧層の人たちに、どのような支援・協力ができるかにあります。先進国で下層の人は、貧しい国で暮らす人よりは、はるかに豊かな生活ができています。それは生まれながらの特権だということを先進国の人は認識し、開発途上国の最貧層の人々を支援することが大事です。
 経済学は、限られた資源を最も効率的かつ効果的に配分するにはどうすればよいかを考える学問です。国際支援においても同様で、現地の文化や価値観をよく理解したうえで、保健医療や教育面での支援も含め、効果的な資源配分を考えていく必要があります。

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この学問が向いているかも 国際経済学

専修大学
経済学部 国際経済学科 教授
狐崎 知己 先生

メッセージ

 さまざまな国の立場を理解し、複眼的な世界観を持った人になることが大事です。日本の立場だけで世界を見ていたら、他国の人の考えを想像するのは難しいでしょう。これからはますます、異なる文化や価値観を持った人たちが私たちの暮らしを支える存在になります。
 そのときに多文化的な視点があって初めて、私たちは豊かさを実感できるでしょう。世界経済は急速に変化をしています。とりわけ経済成長が加速している開発途上国の経済や文化に対する関心をぜひ高めてください。

先生の学問へのきっかけ

 初めての海外渡航先としてメキシコに留学し、日本とは全く違う価値観や文化を持つ人々が暮らしていることにショックを受けました。例えば当時のメキシコは市場経済を支える法律などが整備されておらず、不平等や裏切りが横行し、相手との信頼関係がなければ取引はできず、日本とは全く違う世界観で社会が成り立っていたのです。一方、メキシコの人々が日本に興味や関心を持っていることも知りました。それは戦後、廃虚の中から立ち上がり、経済大国になったことへの称賛からでした。これをきっかけにラテンアメリカの研究を始めました。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

国際協力に従事する専門職(外務省、国際協力機構、開発コンサルタント、国際開発NGO)/国際観光/研究職(国際経済、国際公衆衛生など)/商社/金融・証券・保険(国際業務)

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狐崎 知己 先生がいらっしゃる
専修大学に関心を持ったら

 専修大学は、1880年(明治13年)に経済科と法律科からなる専修学校として創立されました。「経済科」は日本初の、また「法律科」は私学で初の高等教育機関でした。2019年に創立140年を迎える、日本でも屈指の伝統を持つ大学です。社会科学、人文科学、総合科学、の3系統、8学部20学科からなる社会人文系総合大学として、「自ら問題を見つけ主体的に解決する知力」と「人間力」、「倫理観」を持った人材を育成しています。まずはオープンキャンパスの大学紹介や模擬授業に参加して、大学の雰囲気を体感してみてください。

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